「高いビジネススキルを有した人材として社会的な信用力が飛躍的に高まる」というのは多くの合格者が実感として語ることです。
中小企業診断士の肩書きの入った名刺で仕事をするようになってから経営の相談を持ちかけられるようになったという営業職の方や、経営企画部門に配転された方など、より上位の経営に関わる仕事を任されるケースが多くなるはずです。
現在のように経営環境が大きく変化している時代においては、今までのように社内のひとつの仕事に精通していればよいという考え方では、自分自身にとってのリスクが大きくなります。なぜなら現在急速に増加しているアウトソーシングなどにより、仕事そのものがなくなってしまう恐れもあるからです。
経営的な視点で世の中の流れを読み、社外でも通用する専門性を確立することは、現在の仕事の業績を上げるためだけでなく、自己武装につながり、将来に向けての保険に十分になり得ます。
経済構造の変化の中、企業は新市場開拓のための新商品・サービスの創造と、効率的な経営システムの構築に迫られています。いま企業が求めているのは、こうした問題に応えられる高度な経営知識・技術と、経営的な観点から改革を行なっていける人材です。
中小企業診断士の資格取得者であれば、その基本ができているという点で就職・転職の際にも有利になると言えます。最近では大手のコンサルティング会社や、シンクタンクの募集要件に「中小企業診断士」を掲げる企業も出てきています。
経営コンサルタントとして独立するほかに、自らの起業に役立てるという活かし方もあります。起業の際には独創的な事業のアイデアがあっても、それだけで会社を成功に導けるとは限りません。例えば公的資金の有効活用などの資金調達や資金繰りに関する知識をはじめ、会社を維持、発展させていくためには経営法務など経営のイロハを知っておくことが必要なのです。
また最近、税理士や社会保険労務士をはじめ、中小企業診断士とのダブル、トリプル資格を有している方が増えています。
経営コンサルタントには経営以外の相談も持ちかけられます。経営についての知識は必要不可欠ですが、その他の顧客の広範囲なあるいは専門特化した要求にも柔軟に対応できる知力は、他の経営コンサルタントとの差別化につながると考えてのことです。