ちょっと一息

CDAでつながるネットワーク

一度の出会いで「長年付き合っているような友」を得られる場

[2016/06/28]

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 キャリアカウンセリングに興味を抱いている方、キャリアコンサルタントを目指している方、あるいはすでにCDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の資格を持っている方へ。
 みなさんは、全国のCDA会員で構成される支部や地区がどのような活動をしているか、ご存知ですか?
 「存在は知っているけれど、詳しくはよくわからない」という方が多いかもしれませんね。
 でも、CDA資格を取得する利点は、履歴書や名刺に資格名を記載できることや、キャリアカウンセリング能力を向上できることだけじゃないんです。資格取得後に自然に広がっていくネットワーク構築力が、本当にすごいのです。いわゆる異業種交流会のイメージとはまったく異なります。「人と人とのつながりによって、自分に新しい世界が拓けてくる」と言えるかもしれません。
 CDA同士の交流にはさまざまありますが、今回はその中でも「地区活動」についてご紹介いたします。お話ししてくださるのは、北海道地区で活動に初参加し、東関東支部の支部長などを経て、現在は千葉地区の副地区長を務めている今暁央さんです。
 地区のイベントで知り合ったことがきっかけで、仕事を紹介してもらったり、一緒に仕事をしたりすることもあるようです。なぜ、そんなにネットワーク構築力が強いのでしょうか? その秘密とご自身の体験についておうかがいしました。


●今回お話を聞いたのは・・・
 日本キャリア開発協会
 東関東支部 千葉地区 副地区長
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
 今 暁央 さん
 (株式会社日本マンパワー 人材開発第一営業部)


ジョブカフェで相談業務に興味を抱く

 私がCDAを知ったのは、北海道札幌市のジョブカフェ(若年者向け就業支援施設)で転職活動をしていた時です。ジョブカフェで働いている相談員の仕事が気になって、「その仕事はどのような仕事なんですか?」と尋ねたら、キャリアについて相談対応する仕事や資格があるんですよ」と教えてくれたのです。
 いろいろ調べてみると、CDAという資格を取るとキャリアカウンセラーになれることがわかりました。そこで、日本マンパワーの無料説明会に参加して、その場で受講することにしました。また、時を同じくして、たまたま日本マンパワーの求人を見つけました。それで応募したら、無事に入社が決まりました。
 結果的に、CDAの学習と日本マンパワーでの仕事をほぼ同時に始めたことになります。


北海道地区でイベント運営のお手伝い

 CDA資格は2006年、第20回の試験で合格することができました。すると、会社の上司から「CDAには支部や地区ごとの活動があるんだけど、やってみる?」と誘われました。特に断る理由もありませんでしたので、二つ返事で了承し、北海道地区の委員会の構成員となりました。
 「委員会の構成員」とは、地区のイベントの企画や運営を行うボランティアスタッフのことです。とは言っても、おおげさなことをするわけではありません。特に私は入ったばかりのサポート役でしたので、年に3〜4回行われるイベント当日にスタッフとして会場に出向き、会計係や受付係などのお手をする程度でした。
 当時の北海道地区では、新しくCDA会員になった人を交えてロールプレイなどの学習をするウェルカムトレーニング」と、その時々でテーマを変えて学習する地区会」を開催していました。
 そうしたイベントで出会うのは、さまざまな業界で活躍するCDA資格取得者です。キャリアカウンセリングに熱心な人や、興味深い活動をなさっている人と話ができて、非常に刺激的でした。まだ30代前半だった私にとって、知見が深まる貴重な経験をさせていただきました。


千葉地区活性化、イベント・参加者ともに倍増以上

 ただ、北海道地区で活動していたのは約2年間だけです。人事異動で東京に転勤することになったからです。
 「新天地でも地区活動に参加しよう」
 北海道での活動がすごく楽しかっので、そんな思いを抱いて上京してきました。そんな時にたまたま、新しい住まいの千葉県の千葉地区役員の方から、役員募集のメールが来たので、早速返信して応募いたしました。
 そうしたらちょうど、地区の活動を組織化・活性化しようとしていた時でした。ですから、「北海道ではこんな風に運営していましたよ」という私の経験談も参考になったらしく、どんどん活性化していきました。当初、ウェルカムトレーニング」を開催しても、新規会員の参加者がスタッフ人数より少ないこともありましたが、今では参加人数が2倍以上に増え、定員オーバーで応募を締め切らざるを得ないほどになりました。
 現在も「地区会」の活動は盛んで、コミュニケーション手法のワークショップキャリアカウンセリング理論の実践キャリア教育に関わるセミナーなど、さまざまな催しをしています。


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参加するだけで、話と人脈がどんどん広がる

 地区活動の魅力は、何といっても「多様な人との出会い」です。それは、必ずしも運営スタッフになる必要はありません。イベントへの一参加者として足を運ぶだけで、きっとものすごく大きなインパクトを受けるはずです。
 けっして、一般的な異業種交流会のように、「名刺交換をしたけれどそれっきり連絡がない」という社交辞令的なイベントではありません。
 たとえば、誰かが私、○○のようなことをしたいと思っているんですけど……」と言うと、隣の人がああ、それならAさんに聞けばいいよ。ちょっと待ってて。呼んでくるから」と言って、紹介してくれる。そうすると、Aさんはいろいろ教えてくれた上に、今日は来ていないけれど、実際にそれをしている人がいるから、今度一緒に会いましょうなどと、話も人脈もどんどん広がっていことが珍しくないのです。
 実際、「この間紹介したBさんとCさんが、一緒に仕事することになったらしいよ」という展開もありました。


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人に親身なCDAに自己開示をするからこそ

 CDA同士の集まりでは、こうした情景をよく目にします。それはなぜかというと、グループワークなどを通して自己開示をする機会が多いからだと思います。場合によっては、家族や友人にも話したことのない思いを、初めて会った人に打ち明けることもあるでしょう。周りが全員CDAなので、安心して打ち明けられますから。
 しかも、そもそもCDAを目指す人は、人の支援をすることに関心の高い人ばかりです。そんな人たちと、自己開示をした後に懇親会で話をすれば、必然的に親身になって相談に乗ってくれというわけです。ですから、千葉地区のイベントでは必ず最後に懇親会を設けています(笑)。懇親会はもちろん任意参加ですが、自己開示した後に飲食しながら話をすると、その日初めて会った人なのに、まるで長年付き合っている友と話しているような、温かく和んだ気持ちになります。
 けっして誇張ではなく、1日参加するだけで太いパイプやネットワークを築ける」のが、地区のイベントだと思います。


ウェルカムトレーニング・地区会のテーマ

 CDAの会員組織を簡単に説明しますと、日本キャリア開発協会(JCDA)を本部として全国に9つの支部があり、各支部の下に2〜6の地区があります。
 私は今、東関東支部・千葉地区の副地区長をしています。2010年から2014年までは、東関東支部(当時は第3支部)の支部長も務めていました。
 そんな私がみなさんにお勧めしたいのは、ウェルカムトレーニングへの参加です。特に、地区活動に参加経験のない方は、ぜひ一度参加してみてください。
 現在、ウェルカムトレーニングには、ロープレを中心とした新ピアトレーニング、②夢カフェ、③人生すごろく「金の糸」という、3つのテーマがあります。この3つのうち、各地区でいずれかを選択できる仕組みになっています。各テーマの詳細は省略させていただきますが、いずれもキャリアコンサルタントとしての学びを深められます。

>>【参考記事】あなたの「金の糸」は何ですか?〜楽しみながら「自分らしさ」が見つかる人生すごろくhttps://biz.nipponmanpower.co.jp/ps/choose/column/details.php?col_id=Z68HLUFW

 また、地区会では、ゲスト講師を招くなどして、毎回さまざまなテーマで学習をしています。ちなみに、東関東支部で最近行った地区会のテーマには、「ダイバーシティマネジメント・女性の活躍推進」「社会構成主義」「キャリアカウンセリングに活かす動機づけ面接法」「大学1年生向けキャリア教育」などがあります。
 「ちょっと気になる」「少し勉強してみようかな」など、興味のあるテーマを見つけたら、地区会に参加するのもいいと思います。知り合いがいなくても大丈夫。参加費も非常に安価ですので、お気軽にお申し込みください。


CDAネットワーク

養成講座は「社会人としての基礎」を学べる

 今年4月からキャリアコンサルタントが国家資格化されましたが、CDAには長年培ってきた概念と人材があります。
 以前、「キャリアカウンセラー(CDA)養成講座」のインストラクターを務めるある先生が、こんなことを言っていました。
 「キャリアカウンセラー養成講座(現『キャリアコンサルタント養成講座)を人事担当者が受講するのは大切なことだけれど、人事担当者だけでなく、人事部門のマネジャーをはじめとする各部門のマネジャーが受講しないと会社は良くならない。この養成講座こそ、各部門のマネジャーが必須で受講するべき研修なんだよ
 私の本業は、キャリア開発研修などの各種企業内教育に関わる法人営業ですが、研修現場などでよく痛感するのは、CDAが求めるあり方やスキルは、社会人としての基礎」ということです。
 たとえば、養成講座のエッセンスを組み入れたシニア層向けの企業内キャリア開発研修で、参加されている1人が次のような感想をもらしていました。
 「俺って、今までどれだけ人の話を聴いていなかったんだろう・・」
 こうして、自らのコミュニケーションのあり方に気づけるのは、ほかの機会ではなかなか得られないのではないでしょうか。新しく始まった『キャリアコンサルタント養成講座』でも、内的キャリア・自己概念に主軸を置き、転職・就職支援ではなく成長支援であるという考え方をベースに、自分自身を振り返り、内省をすることにより、自己理解の深さに応じてしか相手の深さを感じられないということや、自他のコミュニケーションの「あり方」などを学べるプログラムとなっています。
 各界で活躍なさっている多くの方が受講され、資格取得後に地区会でお会いできることを楽しみにしています。

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