「なんとなく嫌」は整理すればスッキリ
[2011/05/26]
人生には、いい時があれば悪い時もあります。
「なんとなく嫌だなあ」
「なんとなくつまらないなあ」
ということ、みなさんにも経験があるのではないでしょうか?
ただ、仕事に関連してそうした状態が続くと、毎日が色あせて見えたり、不平不満を感じやすくなったり、何となく気持ちが晴れない時間が続き、極端な場合は会社を辞めたくなったりすることもあるかもしれません。転身したり環境を変えることによって自分の状態やその後のキャリアが好転するのであれば解決策になるのかもしれませんが、イメージ先行で何となく決断してしまった場合など、必ずしもそうとは言えないこともあるのではないでしょうか。
「そんな時は、2つの問いかけをしてみてはどうでしょうか?」
そうアドバイスしてくれたのは、キャリア支援を日々推進する原恵子さんです。「2つの問いかけ」って何だと思いますか? とってもシンプルな問いかけです。なんとなくもやもやしている人は、ぜひご一読ください。
●今回お話をうかがったのは・・・
原 恵子 さん
〔主な資格〕CDA、産業カウンセラー、心理相談員、認定MBTIユーザー
Career Seed 代表
日本マンパワー「キャリアカウンセラー養成講座(通学コース)」講師
教育出版社、派遣会社を経て独立。現在は、キャリア支援に関わる実践と研究に取り組む。具体的には、キャリアカウンセラーなどキャリア支援職者に対する専門家教育やスキル向上支援、産業領域を中心としたキャリア開発やコミュニケーション分野の講師として活動。その一方で、筑波大学大学院(人間総合科学研究科)においてキャリア支援職者の職務特性や職業的発達についての研究を継続させている。
※肩書き・経歴は取材当時のもです。
全部が嫌にならないように
「うまくいっていることって何だろう?」
「うまくいっていないことって何だろう?」
仕事やキャリアについて、「なんとなく嫌だなあ」とか「なんとなくつまらないなあ」とか感じた時は、シンプルに、この2つの問いかけを自分にしてみるといいかもしれません。
実は、よくわからないけれども、何となくうまくいっていなくて心がもやもやしている時というのは、「うまくいっていること」や「よくやっていること」「問題がないこと」が見えにくくなってしまいがちなのです。たとえば、職場で何か嫌なことがあると、職場にいるだけで嫌な気持ちになってしまうことがあります。うまくいっていることやいいこともあるはずなのに、それらが嫌な気持ちと一緒くたになってしまい、「なんとなく嫌」という感情になってしまうのかもしれません。
冷静に整理してみると見えてくる
そうした「なんとなく嫌」「なんとなくつまらない」という状態の時には、少し冷静になって
「うまくいっていることって何だろう?」
「うまくいっていないことって何だろう?」
と問いかけてみてはどうでしょうか。
そうすると、たとえば次のようなことがわかるかもしれません。
「仕事がつまらないと思っていたんだけど、本当は仕事自体は好きなんだ。結構うまくいっていると思う。でも、あの人との関係は嫌なんだよなあ」
「ウチの会社の営業の仕方には疑問が残るけれど、チームのみんなはいい人ばかりで楽しいんだよなあ」
いかがでしょうか。「なんとなく嫌」「なんとなくつまらない」と大雑把に捉えてしまうと全部が「嫌」「つまらない」と感じてしまうかもしれませんが、このように2つに分けて区別や整理をしてみると、少し楽になって、落ち着いた気持ちになれるのではないでしょうか。
自分への問いかけは、ちょっとした時間を利用すればいいでしょう。たとえば、仕事を終了し帰る前のごく短い時間、手張でスケジュール確認をする時、お風呂に入っている時や寝る前など、ちょっとした隙間時間に少し考えてみるだけでも構いません。
意識や行動を変えてみる
「うまくいっていること」と「うまくいっていないこと」が整理できたら、もう一歩進んで、「うまくいっていないこと」を解消するために何かを変えてみることも大切です。
「変える」と言っても、おおげさに捉える必要はありません。
ちょっと何かをやってみる
ちょっと何かを止めてみる
意識や考え方を変えてみる
小さなことでいいのです。
たとえば、うまくいっていないことが「ある人との関係」だとしたら、自分から積極的には話しかけないようにするだけでいいかもしれません。逆に、話をかわすことでお互いの理解が深まりそうに思える場合は、避けることを止めてあえて積極的に話しかけていくことで関係性が楽になっていくこともあるかもしれません。また、「あの人の考え方は自分の価値観とは少し違っている部分があるから、仕事に支障がない部分はあまり気にしないようにしよう」等、意識を変えてみてもいいかもしれません。
うまくいっていないことに気づいたら、どんなことでも構いません、何かを変えてみる勇気を持ってください。
それから、もう一方の「うまくいっていること」。こちらまで変えてしまわないことも大切なことです。うまくいっていることはそのままに、自分自身で認めた上で継続させてください。
いかがだったでしょうか。こうした簡単な区別や整理が自分を助けることや自分を楽にすることにつながることもあります。ご参考にしてください。