より良いコミュニケーションと心身のリラックスのために
[2010/09/29]
「どうしてそういう言い方をするの!」
「私のこと、まるで理解していないでしょ!」
こんな風に怒られたことはありませんか? 私たちは何かしら人と関わりをもって生活していますので、時にはうまくコミュニケーションをとれないケースがあります。人間関係とは難しいものです。
ただその反面、興味深いこともありますよね。
「彼女って、いつも変わったタイプの人に惹かれてしまうよね〜」
「あんな心にもないことを言ってしまって、自分でもびっくりしたよ」
こうした人間関係や心の働きは、「心の法則」を学習すると理解できるそうです。また、ストレスやメンタルヘルスについても、「心の法則」が深く関わってきます。
そこで本記事では、日本マンパワーの通信講座『ココロやさしく心理学 性格検査つき』のテキストから、すぐに役立つ内容を抜粋・要約してご紹介します。肩こりに効く「筋リラクゼーション」の方法もご紹介します。ぜひご参照ください。
あなたはどんなタイプ?
まず、簡単なテストをしてみましょう。次の2項目について「自分にも経験がある、その傾向がある」ということはありますか?
問1 相手の言った何気ない言葉に傷ついた経験がある。
問2 宣伝の文句を聞いていると、その新製品が何だか良いもののような気がして欲しくなる。
いかがでしょうか? 実はこのテストで、みなさんの“言葉の奥深さを見落とす危険”が大きいか小さいかがわかります。
問1は、シグナル反応についてチェックしています。シグナル反応とは、「ある語句に対して、自分の心の中で作り出した主観的な意味に反応して感情的になること」です。「言葉の誤解による喜怒哀楽」だと思えばわかりやすいかもしれません。たとえば、上司が本心から「キミは仕事が丁寧だね」と言ったにもかかわらず、その言葉を受け取った部下が「仕事の進め方が遅い」という意味だと思い込んで傷ついているようなケースです。
問2は、濁し用語に強いか弱いかをチェックしています。濁し用語とは宣伝広告によく使われる、「何かを強烈に訴えているようで、実はそうでもない語句」のことです。たとえば、「すばやい効き目」「強力パワー」「驚きの」などの言葉です。でも、よく考えてみると、何と比較してどの程度優れているのかが曖昧です。曖昧にもかかわらず、「これは良い」「これは悪い」と短絡的に反応してしまうと、濁し用語に弱いということになります。
問1や問2と同様の経験・傾向があると思う人は、言葉を言ったり聞いたりする時に少しだけ時間を割いて、「その言葉のイメージや意味は何か?」を自問する習慣をつけてはいかがでしょうか?
良いコミュニケーションのために
それでは次の質問です。以下の4項目について「自分にもあてはまる、大体そうしている」ということはありませんか?
問3 相手の話を聞く時に、自分の価値観を持ち込まないようにしている。
問4 相手の話のポイントをつかんで、自分の言葉で言い換えて確認することがある。
問5 相手が言葉に出せないでいることを察知して、代わりに言ってあげることがある。
問6 相手の話を聞いていて、そのとおりだと思った時には、口に出して言う。
いかがでしょうか? これらのテストは、アクティブ・リスニング(積極的傾聴)をチェックするものです。アクティブ・リスニングとは、積極的かつ主体的に相手と関わっていこうとする聞き方のことです。
問3にあてはまる人は、先入観や偏見を持たず、相手が言おうとすることをそのまま理解しようとしています。これは心理学用語で受容と呼ばれ、好ましい聞き方です。頭をフル回転させながら、うなずき、表情、視線、姿勢などの表現を効果的に用いれば、さらに相手とのコミュニケーションがうまくいきます。
問4は、「相手の話の要点を、意味は変えないで、言い方を変えたり要約して表現」しています。繰り返し(言い換え)と呼ばれるものです。言い換えた言葉を相手に「〜〜なんですね」と返してあげると、相手の自問自答をうながしたり、心の整理の手助けになります。
問5は明確化のチェックです。たとえば、相手が「今日、ちょっと時間あるかなあ」と真面目な顔で尋ねてきた時に、「そうだな、久しぶりにじっくり話でもしたいね」などと相手の言いたいことを推測して言うタイプがあてはまります。このように先回りして言葉を発することができれば、相手は心を開きやすくなります。ただ、推測の内容を間違えてしまうと「的外れなおせっかい」になってしまいますので、正確に推測するよう留意してください。
最後の問6は、支持についてのチェックです。支持とは、「相手の自己肯定を高めるために、相手の考えや行動を肯定したり、相手の現状を肯定するような言葉を伝えること」です。人は誰でも「それでいいんだよ」ということを言われるとホッとして元気が出ますので、好ましいアクティブ・リスニングです。ただ、「相手のために支持をする」ということに留意してください。自分のためのお世辞では良いコミュニケーションとは言えません。また、口からでまかせではなく、きちんとして根拠をもって支持することも大切です。
自分のストレスチェックや振り返りのワークも
以上は、通信講座『ココロやさしく心理学 性格検査つき』の3冊のテキストのうち2冊のテキストから抜粋した内容です。この2冊のテキストでは、多くのケーススタディを通して、さまざまな身近な「心の法則」を学習することができます。
そして、残り1冊のテキストでは、自分自身の心の掘り下げや心の成長、心のリラックス法(自律訓練法を含む)などについて解説されています。さらに、ストレスのセルフチェック、自分の心の振り返りなどをワークすることもできます。
ここではその中から、肩の筋リラクゼーションをご紹介します。ストレスは無意識のうちに身体の筋肉を収縮させ、緊張させています。身体の緊張が長く続くと健康を損なうこともありますので、仕事のちょっとした合い間などに取り入れてみてはいかがでしょうか?
●肩のリラックス法
(1)肩を上に上げてギュッとすぼめ、その緊張を保ち続けます。10秒くらい緊張させて、ゆっくりと肩を降ろしていきます。肩を降ろしている時は自分の肩のあたりの緊張が緩んでいくのを感じながら、その変化を味わいます。単純ですが、緊張と弛緩をゆっくり繰り返します。
(2)両腕を伸ばし、両手は握りこぶしを作りながら、静かに肩の高さまで上げていきます。そのままの状態で両腕を後ろにそらしていきます。この時の肩や肩甲骨周辺の筋肉の緊張を感じとります。10秒くらいの後、ゆっくりと両腕を元に戻していきます。いかがでしたでしょうか。肩や肩甲骨のあたりの筋肉の緊張が緩んでいくのがわかりましたか?
なお、本講座には「性格検査」(コンピュータ判定)がついています。テキストとは直接的な関係はありませんが、みなさんの性格を客観的に評価しようとするものですので、参考にしていただければ幸いです。