「つい」「うっかり」で不祥事を招かないために
[2008/06/26]
新聞やテレビでは、会社・団体の不祥事が数多く報道されています。でも、けっして他人事じゃないと思いませんか? きっと、あらゆる場面で誰にも同じように、「トラブルのもと」が潜んでいるはずです。そして、ちょっとした原因によって仕事や生活に支障をきたし、時には予想外の大きな問題に発展することもあるようです。
たとえば・・・
■Aさんはブログが趣味。毎日の出来事をブログに書くのが楽しみです。ある日、自分が関わった取引先の開発商品について書いたところ、そのことが発覚。取引先から会社にクレームが入り、あわや取引停止になるかの大問題になってしまいました。
Aさんに悪意があったわけではありません。Aさんの心の声を聞いてみましょう。
「ブログは星の数ほどあるのに、どうして分かったんだろう? 社名や商品名は伏せてあるし、知り合いにもブログをしていることを教えていないから大丈夫だと思ったのに・・・」
こうした「つい」「うっかり」「知らなかった」は、誰にもありますよね。そこで本記事では、無用なトラブルを回避する方法についてご紹介します。
−「ちょっと」では済まされない−
Aさんが言うとおり、最近はさまざまな内容のブログがインターネット上に溢れています。でも、だからといって、「自分のブログを関係者が見ることはないから大丈夫だろう」と考えるのは、意識が甘いとしか言えません。また、社名や商品名を伏せても、関係者にとっては一目瞭然だったのです。
実際、ブログの些細な内容によって企業や人物が言われなき不利益をこうむるなど、情報やデータの取り扱いに関するトラブルは多発しています。そのため、ブログを常にチェックしている企業もあるくらいです。場合によっては、悪意ある第三者に情報が利用され、非常に大きな不祥事に発展することもあるのです。
ですからみなさんも、「自分が書いたコメントがどのような影響を及ぼす可能性があるのか」を考えることが大切です。「ちょっと」のつもりで安易に書いてしまうと、Aさんのように企業間トラブルに発展したり、訴えられたり、処分の対象となるケースがあることを覚えておきましょう。
−「知らなかった」も通用しない−
またAさんの場合、決定的なルール違反を犯しています。それは、会社の動きに関することをブログに書いたことです。職務上知り得た秘密事項を外部に漏らすことは、守秘義務に違反します。その内容によっては、個人情報保護法や不正競争防止法に触れる可能性もあります。そうなれば当然、Aさんも罪に問われるでしょう。
このように、社会には「知らなかった」では許されない問題がたくさんあるのです。ブログに関して言えば、トラブルを防ぐためには、
・法律の基礎知識を身につけておくこと
・業務やビジネスに関することは書かないこと
の2点が重要となります。
−よくある「トラブルを生む」行動−
ブログの事例は、トラブルのほんの一例に過ぎません。たった一人の些細な行動が大問題に発展することは、仕事でも生活でもよくあります。たとえばみなさんには、次のような経験がありませんか?
【仕事の場で】
・電子メールのあて先を間違えてしまった
・職務中に交通違反をしてしまった
・注文や納品の確認を怠ってしまった
【私生活で】
・アパートで大きな音で音楽を聴いたことがある
・別れた恋人を待ち伏せしたことがある
・インターネット・オークションをしたことがある
いずれも、よくありそうな出来事ですよね。では、これらがどのようなトラブルを招く可能性があるか、考えてみましょう。実は、次のような可能性が潜んでいます。
【仕事の場で】
・メールのあて先間違い → 情報漏えいの危険がある
・職務中の交通違反 → 企業イメージの悪化につながる
・注文や納品の未確認 → 会社の損害につながる
【私生活で】
・アパートでの大音量 → 近隣トラブルにつながる
・別れた恋人の待ち伏せ → ストーカー規正法に触れる場合がある
・ネット・オークション → 詐欺などに遭うリスクがある
−安易な「思い込み」はトラブルのもと−
上記の行動の背景には、多くの場合、次のような気持ちが隠されています。
「つい」
「ちょっと」
「うっかり」
「あとで○○しよう」
「ここだけなら」
「今だけなら」
「自分だけなら」
「大丈夫だろう」
こうした安易な思い込みは、自分にそのつもりがなくても、あらゆるトラブルを引き起こす可能性があります。逆に、無用なトラブルを回避するためには、「自分の行動がどのような結果を招くのかを事前に予測する」ことが求められます。そして、「事前に予測する」ためには、最低限の知識とノウハウを身につける必要があります。
日本マンパワーの通信講座『シミュレーションで学ぶ 社会人のトラブル回避スキル』では、こうしたトラブル30事例を取り上げ、その回避方法をシミュレーション形式で学ぶことができます。CD−ROMの映像を見ながら、自分がその場にいる感覚で学べますので、結構楽しめますよ。
もちろん、一つひとつの事例に関する法律も解説されていますから、社会人に求められる基礎知識をしっかりと身につけることができます。ぜひご活用ください。