ちょっと一息

「衛生管理者」の資格活用

職場環境のドクターとして欠かせない専門家

[2014/03/28]

 みなさんは「衛生管理者」の存在を知っていますか?
 労働災害を未然に防ぎ、働く人の健康維持・増進を図る職場づくりをすることが、衛生管理者の役割です。いわば、「職場環境のドクター」と言えるでしょう。
 衛生管理者の資格は国家資格で、一定規模以上の企業(事業場)では衛生管理者を置くことが法律で義務づけられています。

 でも実際には、有資格者の絶対人数が少ないため、衛生管理者を設置できない企業も少なくないとか・・・。
 逆に言えば、持っていると非常に有利な資格! 国家資格の中では合格率が高く、年間の試験回数も多いので、本気で学習すれば比較的取得しやすいのも魅力です。
 定年退職された方、高年齢層の方もたくさん活躍しています。将来の武器を準備するためにも、どのような資格なのか、ぜひご参照ください。


衛生管理者の仕事

 働く人が労働災害や健康障害に見舞われないよう、労働安全衛生法という法律が定められています。その労働安全衛生法には、衛生管理者について次のように定められています。

 「常時50人以上の労働者を使用する事業場には、衛生管理者を選任し、その者に衛生に係る技術的事項を管理させねばならない」

 つまり、衛生管理者はすべての業種で求められている人材なのです。
 衛生管理者の日常的な職務としては、主に次のようなものが挙げられます。
  ・健康に異常のある者の発見と処置
  ・作業環境の衛生上の調査
  ・労働衛生保護具、救急用具の点検及び整備
  ・衛生教育、健康相談等労働者の健康保持に必要な措置
  ・労働者の負傷、疾病等に関する統計の作成
  ・作業条件、施設等の衛生上の改善
  ・衛生日誌の記載等職務上の記録の整備

 また、常時50人以上の労働者がいる事業場では、衛生委員会や安全衛生委員会などが設置されています。
 そうした委員会は、「どのように職場の安全衛生管理を進めていくべきか」を職場全体について調査審議し、事業者へ意見します。
 衛生管理者もその委員のひとりとして、事業者や産業医、安全管理者、労働組合などと協力・連携して、安全衛生の改善に貢献する立場にあります

衛生管理者試験の概要

 衛生管理者免許には、第一種免許と第二種免許があります。
 第一種免許がすべての業種で衛生管理者になることができるのに対し、第二種免許は、有害業務と関連のうすい情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業などの業種でのみ、衛生管理者となることができます。

 受験資格は、大学卒の場合は実務経験1年以上、高校卒の場合は実務経験3年以上など、学歴などに応じて定められた実務経験(最低1年以上)が求められます。このためもあり、実際には、企業内で衛生管理業務を担う総務部門や人事部門、生産管理部門に所属している人が受験することが多いようです。
 もっとも、実務とみなされる範囲は比較的広いため、全国7カ所にある安全衛生技術センターに問い合わせることをお勧めします。

 試験範囲は、「労働衛生」「関係法令」「労働生理」の3科目。第一種免許が合計44問、第二種免許が合計30問です。合格ラインは、各科目で最低4割(第一種の「労働衛生」と「関係法令」については、「有害業務に係るもの」と「それ以外のもの」に分かれており、それぞれの4割)、全体で6割くらいの正解率だと言われています。
 平成24年度の合格率は、第一種免許が53.9%、第二種免許が66.2%でしたから、国家資格の中では非常に合格しやすい資格だと言えるでしょう。

 なお、試験は全国7ブロックに分かれ、どのブロックにおいても月に最低1回は試験が行われています。関東ブロックや中部ブロック、近畿ブロックでは、月3回の頻度で試験が行われています。

合格に向けての学習ポイント

 これから衛生管理者をめざす方は、まず、試験日の目標を決めましょう。なぜなら、毎月試験が行われるので、「試験対策が終わってから受験日を決めよう」と思っていると、ずるずると先延ばしになりがちだからです。
 学習プランとしては、試験の6カ月くらい前から学習を始めるのが標準的です。
 「関係法令」のテキスト(「労働基準法」と「労働安全衛生法」の2冊)の学習を2カ月間、「労働衛生」のテキスト学習を1カ月間、「労働生理」のテキスト学習を1カ月間、問題演習と総まとめを2カ月間行うのを目安としてください。
 他の国家資格に比べてそれほど試験範囲が広くありませんので、1日1時間の学習でも十分に合格をめざせます

 ちなみに、日本マンパワーの「衛生管理者受験講座」は、テキスト4冊、問題集1冊、6回分の添削問題などで構成されています。なかでもテキストは、1学習項目につき2〜4ページで、典型問題、解答、解説、ポイント、基礎知識が非常にコンパクトにまとめられています。B6判(文庫本より若干大きいサイズ)なので、通勤時間やお昼休みなど、ちょっとした空き時間を活用して学習することができます

 また、学習項目が出題頻度によって「★★★」「★★」「★」「★なし」に4分類されています。ですから、最初に「★★★」のみを学習、次に「★★★」と「★★」を学習、さらに「★★★」「★★」「★」を学習……、という順で進めれば、知識定着にたいへん効率的です。 忙しいビジネスパーソンには適した通信講座です。

●職場環境充実のスペシャリスト!
衛生管理者受験通信講座 第1種コース
衛生管理者受験通信講座 第2種コース

  • 講座コンシェルジュ

    おすすめの講座・資格をご紹介

  • 講座を選ぶ

    キャリア形成にお役立てください

  • キャリアを考える

    キャリアビジョンを創る