リーダーに求められる聴き方を事例映像とテキストで学ぶ
[2015/01/29]
ビジネスでは人と人とのコミュニケーションが欠かせません。良好なコミュニケーションによって信頼関係を築くことは、すべてのビジネスパーソンに求められることです。なかでもリーダー的立場にいる人は、社内・社外を問わず高度なかかわり方が必要とされ、自身の言動ひとつがビジネスに影響することもあるのではないでしょうか?
コミュニケーションにはインプットとアウトプットがあります。インプットが聴くこと、アウトプットが伝えることです。このうち、本記事では、開講したばかりの通信講座『これからのビジネスリーダーに必要な「聴き方」講座』を元に、聴くことにスポットを当てます。「聴く力」を高めることができれば、相手の本当の思いを聴きとることができ、部下のモチベーションアップ、情報共有や仕事の効率化につながるからです。
本講座を体験学習した人からは、「まるで、キャリアカウンセリング(CDA)の傾聴スキルを、ビジネス現場のチームマネジメントに応用したような講座」だという感想もありました。体験学習者からうかがったエッセンスをご紹介しますので、ぜひご参照ください。CDA有資格者・CDA学習者にも必見の内容です。
リーダーに必要な「聴き方」とは
通信講座『これからのビジネスリーダーに必要な「聴き方」講座』は、テキストとDVD、添削問題、学習ガイドから構成されています。テキストは64ページと比較的薄いのですが、聴き方のポイントが凝縮されていて、非常に読みごたえがあります。テキストのおおまかなコンテンツをご紹介すると次のようになります。
【カリキュラム骨子】
第1章 「聴き方」の重要性
1−1 「聴く力」は個人も企業も成長させる
1−2 聴き上手となるために
第2章 信頼関係の構築を基本とした「聴き方」
2−1 ありのままを受け止める
2−2 相手の前で偽りのない心でいること
第3章 「聴き方」基本編
3−1 自らの態度で信頼関係を構築しよう
3−2 相手とのやりとりで信頼関係を構築しよう
第4章 「聴き方」応用編
4−1 質問はリーダーシップの技術です
4−2 効果的な質問法を自分で研究する
第5章 「聴き方」事例編
事例(1) 後輩がミスをした理由の聴き方
事例(2) 同部署の社員が冷たく後輩が落ち込んでいる
事例(3) 上司から人事考課についてフィードバックをもらう時の聴き方
事例(4) プロジェクトで関係部門間の折り合いが悪くなり仲裁する
事例(5) 新規訪問でのヒアリング
事例(6) 顧客からクレームがあった時の受け止め方
事例(7) 後輩が自分の将来を描けなく悩んでいるときのかかわり方
ビジネスシーンに特化した聴き方の事例
テキストの内容は、『キャリアカウンセラー養成講座』の学習経験がある人にとっても、新鮮な発見があります。受け止め、共感、傾聴、視線、身体言語、声、言語的追跡、質問、気づきなど、『キャリアカウンセラー養成講座』の基礎的な用語が出てくるのですが、その活用具体例が異なるのです。新講座は、組織におけるチームマネジメントや取引先との対話シーンを想定した内容に特化していると言えるでしょう。もちろん、『キャリアカウンセラー養成講座』を学んでいない人にとっても、わかりやすく親切に解説されています。
ただ、テキストを1日で読んで頭で理解することは可能ですが、それを腹落ちさせて実践することは、とても1日ではできないと思います。そのため本講座には、実際のビジネスシーンにおける聴き方事例をDVDで視聴できるようになっています。そのテーマが、先にご紹介したテキスト第5章の事例(1)〜(6)です。
映像でわかる、悪い事例とふさわしい例
DVDの各事例はそれぞれ数分で見ることができ、
「悪い事例」→「悪い点のポイント解説」→「ふさわしい例」
という構成になっています。最初に悪い事例を視聴した後、再度すぐに悪い事例を見ながら「いけなかった点」が明確に解説されますので、非常に理解しやすくなっています。
すべての事例において、「ああ、自分にもこういう面があるから気をつけないといけないな」と感じる人が多いのではないでしょうか。さらに「ふさわしい例」を見ると、「ああ、自分はこんなふうにできていないな」と実感することでしょう。
たとえば事例(1)では、「後輩がミスをした理由の聴き方」が収録されています。入社3年の若手社員が、自分の思い込みからカタログ制作の納期を間違えてしまい、そのミスを先輩に打ち明けるケースです。もしみなさんが先輩の立場だったら、どのようなことに気をつけて、ミスをした理由を聴けばいいと思いますか?
聴き方のテクニックとしては、大きく3点が挙げられます。
◎穏やかに姿全体に目線を合わせる
◎相手に正対する
◎他のことをやりながら聴かない
また、次のような点にも注意が必要です。
◎目線を外さずにうなずく
◎いたずらに“目ばたき”しない
◎真心で相づちを打つ
◎動揺した場合は身近なものを手に取るのが効果的
◎感情的な声を出させない
このように文言にすると、なんとなくわかったような気持ちになるのではないでしょうか。でも、「じゃあ実際にどのような言動をすればいいか」は非常に難しいことです。DVDはそれを教えてくれるのです。
しかも、ひとつの事例で学んだことは、ほかのビジネスシーンでも活用できそうです。その意味で、6つの事例にさまざまな「聴き方」スキルのヒントが詰まっているように思います。
使えるようになるため何度も見たくなる
DVDを視聴してから、もう一度テキストを読むと、1回読んだだけでは腹落ちしなかった内容が、すーっと入ってくるようでした。DVDに収録されている事例をまとめて、論理的に解説されていることがよくわかります。
そして、おそらくもう1度DVDを見たくなると思います。1回目のDVD視聴で「知る」「理解する」を満足できると、今度は「使えるようになりたい」と思うはずだからです。
キャリアカウンセラー(CDA)の資格を持っている人でも、傾聴のスキルをビジネス現場で駆使することは難しいことと感じるかもしれません。それを実現可能とするための教材として、本講座は非常に効果的だと思います。