ちょっと一息

2次試験免除で診断士になる

理論を使い磨き、実務経験を積む「登録養成課程」

[2011/11/18]

養成_1 中小企業診断士として登録を受けるためには、1次試験に合格した上で、2回以内の受験で2次試験に合格し、3年以内に実務補習を15日以上受けるか、診断実務に15日以上従事する必要があります。1次試験・2次試験ともに合格水準は非常に高く、難関試験だと言われています。
 しかし、診断士登録にもうひとつの方法があることをご存知でしょうか? それは「登録養成課程」と呼ばれ、経済産業省の登録を受けた機関が実施するカリキュラムを修了することにより、2次試験と実務補習/診断実務従事が免除されるという方法です。
 登録養成課程に要する費用はけっして安くありませんし、カリキュラム内容も楽ではありません。ただ、「2次試験→実務補習/診断実務従事」という道に比べれば、診断士資格取得に限りなく近づくことができます。さらに、机上学習では身につけられない実務ノウハウを学習できるほか、確かな人脈を形成することが可能です。「(定年後を含め)いずれ開業独立をめざす方」「確実に診断士資格を得たい方」にとっては、最適の道だと思われます。
 登録養成課程がどのようなものか、日本マンパワーの担当・上崎精一さんにお話をうかがいましたので、ご参照ください。修了生の声も紹介しています。

●お話を聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 キャリア開発部 診断士養成課
 上崎 精一 さん


登録養成課程の実施機関と相違点

 中小企業診断士の登録養成課程を実施している機関は、現在12機関あり、それぞれに特徴があります。
 たとえば、中小企業大学校や日本生産性本部の場合は平日昼間に行われる半年コース、法政大学大学院の場合は平日昼間に行われる1年コースとなっています。いずれも平日昼間のカリキュラムですので、休職や退職をして受講するケースが多いようです。
 一方、日本マンパワー、名古屋商科大学大学院、東洋大学大学院、千葉商科大学などでは平日夜間や土日が受講日となります。ですから、働きながら学ぶことが可能です。
 ただ、機関によって受講日や受講期間が多少異なります(下表参照)。日本マンパワーの場合は、仕事や家庭との両立、モチベーションの維持などに配慮して、講義・演習については火曜日・木曜日の夜間(18:45〜21:45)と土曜日(10:00〜17:00)を主な受講日に設定し、短期間で修了できるカリキュラムを組んでいます。

養成_6
              主な受講日     受講期間   開講
 ●日本マンパワー     平日夜間、土曜日  1年     3月
 ・名古屋商科大学大学院  土曜日・日曜日   2年     9月
 ・東洋大学大学院     平日夜間、土・日  2年1カ月  3月
 ・千葉商科大学      土曜日・日曜日   2年1カ月  3月


 なお、日本マンパワーの場合、2012年3月開講予定の第6期の受講資格は第1次試験の合格年度が次のいずれかで、ノート型パソコンを持参できる人になります(ノート型パソコンは主に実習時に利用します)。
(1)2010年度もしくは2011年度
(2)2000年度以前(2001年度以降の2次試験を受験していないこと)

 機関によっては「2011年1次合格者のみ」が対象となっている場合がありますので、ご留意ください。

コンサルタントに求められる実務経験を積む

 登録養成課程の学習体系は、チャート図のようになります。

養成_2養成_3

 まず、応募者が定員を上回る場合、「知識確認プレ過程」を受けていただき、24人の受講者を決定させていただきます。
 その後、助言能力、経営戦略などの理論、流通業の理論、製造業の理論について、講義・演習形式で学習します。日本マンパワーの特徴は、グループディスカッションが多いことです。6人×4グループに分かれ、講師から与えられたテーマや事例について意見を交わしてグループ内のまとめを発表。グループ間でもディスカッションを交わすことで、仲間の考え方を吸収し、自分の知識基盤を高めていくことを狙いとしています。

 それが終わると次に、実際の中小企業を訪問する実習が始まります。8人×3グループに分かれて経営コンサルティングを行うのです。
 実習にあたってはまず、企業訪問のための事前準備を行います。どのようにコンサルティングを行うか、グループで考えるのです。その上で、実習先でトップヒアリングや工場・店舗見学を行い、問題発見・課題解決のための調査を行います。製造業であれば、工程ごとの作業時間を計測することもありますし、流通業であれば、来店客等へのアンケート調査などを行います。
 その後、グループディスカッションや現地調査を繰り返し、最終的に提案報告書としてまとめ、対象企業のトップや幹部にプレゼンテーションを行うという流れになります。
 1回につき約3週間の実習となります。その間はハードスケジュールとなりますが、経営コンサルタントに求められる貴重な実務ノウハウを学ぶことができます。
養成_4 カリキュラム後半には、さらに高度な講義・演習、実習へと発展します。特に実習では、総合的・中期的な視点から経営戦略策定診断、総合ソリューション診断を行います。
 実習の実施は養成課程トータルで5回。プロとして活躍するベテラン経営コンサルタントによる指導を受けられるのはもちろん、2次試験後の実務補習とは比べものにならないほどの実務経験を積めるのは間違いありません。


修了生から寄せられた受講後の評価

 実際、過去に受講した修了生からは次のような声が寄せられています。

 「講義と実習を織り交ぜた、養成課程でしか経験できないものがあります」
 「学習はハードですが、2次試験を合格しただけでは診断士としてやっていけないことがよくわかりました」
 「実践力のある診断士になれたと思います」
 「講義を聞くだけでは得られないものがありました」
 「2年間だったら厳しいけれど、日本マンパワーは1年間なので大丈夫でした」
 「昨日座学で学んだことを今日実習先の現場で生かす、そんな体験が養成課程の醍醐味です」

 日本マンパワーの登録養成課程がめざしているのは、「理論と実務の融合」です。実際のコンサルティング現場では、テキストで正解とされている解が、正解でないこともあるからです。経営者の視点で「経営者の想いを実現する戦略」「経営者の思い込みを是正する戦略」を立案することが求められるのです。そのため、テキストや講義で得た知識を「使える理論」に磨き、「実務に活かす」実践力を養うことを重視しています。

 また、24人が1年間切磋琢磨することで、将来の人脈形成につながることも特徴のひとつです。過去の修了生の中には、「受講して良かったと“今”思うこと」として、「仲間」を挙げる人は少なくありません。

 「卒業後の仕事を協業できる仲間がすでにいることです(性格・資質を把握しているので仕事をお願いしやすい)」
 「会社とは全く違った絆を形成し、一生お付き合いのできる友人を作れます」
 「同じ釜の飯を食ったと言える受講生24名の強固なネットワークを構築することができます」
 「多数のキャリア・目指すべき方向性が異なる仲間がいるので、多くの情報収集(所属研究会等)が可能です」

養成_5 実習後に講師を囲んで反省会をしたり、修了式後に講師と名刺交換などを行う懇親会も設けています。なかには、講師から仕事を紹介されるケースもあるようです。また、日本マンパワーのSNS「キャリとも!」で、「過去の修了生全員のコミュニティ」「期ごとの修了生のコミュニティ」も構築していますので、情報交換や相互協力の場として活用いただいています。
 定年後も含めて将来的に独立開業をめざす人、すでに独立開業している人、確実に診断士資格を得たい人にとって、登録養成課程は高い価値を生み出すこと必至です。
 関心のある方はぜひご参加ください。説明会への出席が難しい方は、弊社Webサイトの「募集要項」ページからお問い合わせください。

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