ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方vol.28

結婚後も働き続けるなら、どんな仕事がいい?

[2010/12/01]

ハッピーキャリア_101201 結婚は、その後のキャリアに少なからず影響を与えます。特に女性の場合、家事・出産・育児などとの関係で、男性よりも考えるべきことが複雑になりがちです。すでに働いている人も結婚を意識すると、「この職場で働き続けられるだろうか?」と思案することでしょう。
 こうした状況を反映して、キャリアカウンセラーの元には次のような相談が寄せられることがあります。
 「結婚してからも仕事を続けるためには、どのような仕事がいいでしょうか?」
 みなさんは、同じような悩みをお持ちではありませんか? キャリアカウンセラーとして活躍する金城亜紀さんは、そうした相談を多く受けた経験があるそうです。
 今回は「結婚と転職」について、事務職志望の悩める20代女性のケースを中心にご紹介いたします。

ハッピーキャリア_101202●今回お話を聞いたのは・・・
 CDA
 産業カウンセラー
 金城 亜紀 さん

フリーターおよび一般事務を経た後、再就職支援会社に転職。同社で経験したファシリテーターやセミナー講師の仕事をきっかけに、CDAと産業カウンセラーの資格を取得し、フリーランスのキャリアカウンセラーとして独立。厚生労働省委託事業の「働く若者ネット相談」「キャリア・コンサルティングによるメール相談(通称:キャリメール)」のカウンセラー等を得て、現在、大学生向け就職活動支援など各方面で活躍している。

とりあえず事務職?

 働く若者ネット相談やキャリメールのキャリアカウンセリングを通して、20代女性から多かった相談のひとつに次のような内容があります。

 「結婚してからも仕事を続けるためには、どのような仕事がいいでしょうか?」
 「結婚してからも仕事を続けるためには、どのような資格を取るといいでしょうか?」

ハッピーキャリア_101203 こうした相談をされる人に多かったのは、「とりあえず事務職に就きたい」という希望です。特に、医療事務や簿記に関する質問・相談が多く寄せられました。確かに、医療事務や簿記の技能があり、希望に合う職場環境でそうした職に就くことができれば、結婚後も長く働きやすい面があるとも言えます。
 ただ、中には転職志望の動機が前向きなキャリアアップではなく、別の要因であるケースも見られます。たとえば、「今の会社はあまり好きじゃないから、比較的取り組みやすそうな資格試験で、労働時間や体力的に負担の少ない仕事に転職してみようかなぁ」という考えのように見受けられる人もいました。


カウンセリング現場の実態

 参考までに、実際のカウンセリング現場の会話例をご紹介しましょう。

【CDA】医療事務のどのようなところに興味を持ったのですか?
【相談者】資格を取って働けば、結婚しても長く働けると思ったから。
【CDA】資格にはいろいろあるけれど、特に医療事務をやってみたいと思った理由はあるのかしら?
【相談者】資格の雑誌を見てなんとなく、です。
【CDA】求人情報は調べてみましたか?
【相談者】まだ調べていません。
【CDA】じゃあ、自分の通勤できる範囲で、まず求人情報を調べてみてはいかがでしょう。
【相談者】調べ方がわかりません。どうすればいいですか?
【CDA】求人サイトでは○○○○○というものがありますよ。ジョブカフェに行けば求人情報を閲覧できますし、職業の紹介もしてくれます。一度足を運んではどうでしょうか。
【相談者】でも、会社の人に知られたら、何か言われるかもしれないし・・・
【CDA】何か言われる?
【相談者】実は以前から先輩との関係がギクシャクしていて、もし転職活動しているとばれたら、余計に居心地が悪くなりそうで・・・


 このように、よくよく話をうかがってみると、実は転職志望の動機が結婚とは関係なく、今の会社の人間関係が原因であるケースもあるのです。


自分の悩みの本質を知ろう

ハッピーキャリア_101204 もちろん、20代女性の転職志望者すべてが、今お話ししたような状況ではありません。なかには、毎日のように長時間勤務をして不安と疲労がたまっている人もいれば、結婚によって住まいが変わってしまう人、ご家庭の事情で今の仕事を辞めざるを得ない人もいるでしょう。人それぞれの事情があると思います。
 ただ、どのような事情があるにしても、自分の直面している問題が何かを正しく知ることは、的確な解決策につながります。あなたが今「結婚してからも仕事を続けるためには、どのような仕事がいいだろう?」と思っていたら、もしかすると別の悩みが隠されているかもしれません。ですから一度、次のような質問を自分に投げかけてみてはどうでしょうか。

 「私の悩みって、本当はどこにあるのだろう?」

 仕事そのものに苦痛を感じているのだろうか?
 職場の人間関係がうまくいっていないのだろうか?
 勤務時間に無理が生じているのだろうか?
 社風や会社のやり方が合わないのだろうか?
 今の会社では結婚したら本当に続けられないのだろうか?

 こうしたことを一つひとつ自分に質問してみると、解決しなければならない本質が見えてくるかもしれません。転職で悩む時、解決すべき本当の問題は見えにくいものなのです。
 逆に、自問した上で「医療事務の仕事がしたい」「簿記の資格を取りたい」などと前向きに考えられるのであれば大丈夫! ぜひチャレンジしてみましょう。

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