ちょっと一息

キャリアカウンセラーの資格活用vol.1

事務職からの転身〜自己成長に大きな喜び

[2013/05/29]


 企業、学校、行政機関や人材ビジネスなど、活躍の場が広がるキャリアカウンセラー。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)は、その実務家向け資格です。すでに資格取得者は1万人を超え、キャリア形成支援や就業支援などの分野で、ますます人材が必要とされています。
佐々木さん ただ、誰にでも身近な資格かというと、必ずしもそうとは言えません。もっと身近な存在であってもいいと思います。だって、誰しも仕事や就職のことで悩んだり迷ったり困ったりすることがあるでしょうから。そんな時に支えてくれるのがキャリアカウンセラーなのです。
 また、みなさん自身がCDAの資格を勉強するのもお勧めです。「CDAを取って本当に良かった」という人は少なくありません。
 たとえば佐々木由見子さん。佐々木さんは、事務職として3社の企業に務めた後、CDAを取得しました。その結果、「やりがいのある仕事、素敵な人との出会い、成長できた自分、すべての面でCDAを取ってよかったと思います」と言います。実は、結婚も「CDAのおかげ」だとか。
 CDAの出合いからキャリアカウンセラーとしての仕事内容まで、佐々木さんのケースをご紹介いたします。


●今回お話を聞いたのは・・・
キャリアカウンセラー
佐々木 由見子さん
事務職として3社の会社勤務を経た後、CDAを取得。ジョブカフェでの若年者就業支援や中高年層の再就職支援、職業訓練生の就業支援などの経験を持つ。現在は、大学での学生支援のほか、人材紹介会社で初回面談を行うなど、フリーランスのキャリアカウンセラーとして活躍中。


CDAは自己肯定をもたらしてくれた

 私は福岡県出身で、大学卒業後は地元のメーカーに一般職として就職しました。その後2度の転職を経て、外資系製薬会社にアドミニストレーターとして入社しました。仕事内容は、MRと呼ばれる営業パーソンの後方支援や管理業務です。
CDA1 ところが、入社して1年経った頃、本国でM&Aが決まり、それを受けて日本法人の会社も大きく揺れました。私にとっては初めての経験で、非常にショッキングでした。派閥争い、ポジション争い、早期退職・・・そうしたことを目の当たりにして、さまざまなことを考えさせられました。私に愚痴をこぼす営業パーソンもいましたが、その時は何も力になれませんでした。
 「CDA資格を取ろう」と思ったのは、その会社を辞めてからです。その理由は大きく3つあります。ひとつは、人事のあり方に関心が芽生え、スキルを身につけて企業の人事部門に再就職しようと考えたこと。もうひとつは、自分のキャリアを見つめ直したかったこと。そして3つ目が、プライベートで取り組んでいたジャズダンスのインストラクターに役立つと思ったことです。
 CDAの勉強にあたっては、日本マンパワー福岡校の『キャリアカウンセラー養成講座』を受講しました。講座ではいろいろな人に出会うことができ、楽しく学習することができました。
 自分のキャリアを自分で納得できたのも、大きな収穫でした。当時、「転職は好ましくない」と思われていた時代でしたので、「私は長続きのしない人間」だという心のもやもやがあったのです。でも、講座でキャリアについて勉強し、先生や仲間と深く話すことで、「私らしい選択をしてきたんだ」と自分を肯定的に受け止められるようになりました。


仕事のやりがい、仲間との出会い

 そうしてCDAの学習をしていたある時、講座の仲間が仕事を紹介してくれました。その仕事とは、中高年求職者の方の再就職支援をする短期の仕事です。まだ勉強中の私がそんな役割を担えるのか、大きな不安とプレッシャーがのしかかりましたが、チャレンジさせていただきました。
 私が担当したのは、就職活動の講義と個別カウンセリングです。自分より人生経験の豊かな方に対して助言をすることに、最初は申し訳ないという気持ちも生じました。でも、みCDA2なさんが「がんばってみようかな」「やらなきゃね」と次第に前向きになっていくのを見て、「求職者の支援はすごくやりがいのある仕事だ」と実感しました。
 この仕事を終える頃、「私は企業で働くのではなく、求職者を支援するキャリアカウンセラーになる」と決心していました。

 そして次に働いたのがジョブカフェです。ジョブカフェとは15歳〜34歳の若年者を対象に、就職支援する行政機関です。私はそこで、主に面談による個別カウンセリングを担当しました。
 そこでは、キャリアカウンセリングのやりがいにくわえて、多くのCDA有資格者と知り合えたことが財産になりました。東京に出てきた今でもCDA仲間は大切な存在で、帰郷するたびに会っています。
 ちなみに、CDAの資格は、ジョブカフェに勤めている時に無事合格することができました。


CDAのおかげで結婚もできた

 こうしたキャリアカウンセリングの仕事やCDAの学習は、仕事へのやりがいや人的ネットワーク以外にも、私に素敵なものをもたらしてくれました。
 まず、「いろいろな人と話すのが面白い」と思えるようになったこと。それまで私は、苦手なタイプの人との対応に消極的でした。「この人とは価値観が違うな」と思ったら、表面的に合わせたとしてもできる限り話さないで済むようにしていました。
CDA3 でも、キャリアカウンセリングを知ってからは、「価値観の違う人とこそ、もっと話してみたい」と思うようになりました。「この人はどういう風に考えているんだろう?」「なぜそう思うのだろう?」という関心が自然に湧いてくるのです。どのような人でも、普段は口にしない、本人も気づいていない潜在的な思いを持っていることを、肌で知ったからだと思います。そして、自分と異なる多様な価値観や考えを受け入れられるようになりました。

 そのおかげで、夫とも結婚することができました。実は、夫と私は正反対の価値観で、以前の私であれば避けていただろう人です。でも、出会った時にすでにCDA資格を取っていた私は、「こんなに真逆の人と結婚すれば、自分の価値観も広がるだろうな」と前向きに考えたのです。CDAが取り持った結婚だと言えるかもしれません(笑)。

★佐々木さんの現在の仕事内容については来月ご紹介いたします。

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