新人教育の穴になりやすい、文書作成と電子メール操作
[2013/09/27]
「取引先に商品カタログを送りたいので、少しセールスレターっぽい送付状を作ってくれるかな。発信者は私の名前でね」
こう頼んで、望み通りの送付状を作ってくれそうな若手社員は、みなさんの周りにどれほどいらっしゃるでしょうか?
実は、ビジネス文書の作成や電子メールの作成・操作は、新入社員教育の穴になりやすいのです。ですから、たとえば「取引先への電子メールを作ってみましょう」という教育を受けた人は、ほとんどいないかと思われます。
しかし、そういった教育がされないままだと、実務に就いた時に思わぬリスクが生じるかもしれません。考えてみてください。これまで働いたことのない人が、教えられることもなくビジネス文書を作成することができるでしょうか。また、携帯メールしか使ったことのない人が、パソコンでメールソフトを使いこなすことができるでしょうか。たとえ社内文書規程や文例・書式資料が備わっていても、相手や目的によって「何を書くべきで、何を書くべきでないか」を判断することは、新入社員にはなかなか難しいことです。
そこで本記事では、よくあるビジネス文書・電子メールに関する疑問について、通信講座『ビジネス文書マスターコース』の教材開発担当者・小林ちひろさんにお話をおうかがいしました。ベテラン社員でも知らないようなこともありますので、ぜひご参照ください。
●今回お話を聞いたのは・・・
株式会社日本マンパワー
キャリアクリエイト部 第2課
小林 ちひろ さん
社員の文書作成レベルを底上げしたい
日本マンパワーの『ビジネス文書マスターコース』は、社内文書の作り方、取引文書・儀礼文書の作り方、電子メールの作り方やメールソフトの操作方法などについて、まったく知識のない人を対象として開発した通信講座です。ビジネス文書の種類やそれぞれの役割、保存や社内チェックの手順、書くべき内容、書式のあり方、守秘義務、セキュリティ管理まで、市販の書籍には見られないごく基本的な事項も懇切丁寧に解説しています。
「社員の文書作成レベルに差があるので、最低限のレベルを底上げしたい」「今までこうした教育をしてこなかったので、ベテラン社員も含めて改めて見直したい」などの理由で、受講を希望される企業様もいらっしゃいます。
常識のようなことが教えられていない
そうして受講された方から、これまでさまざまな質問が寄せられてきました。その中から、比較的多い質問をご紹介します。
電子メールに関する質問は、次のようなものが挙げられます。
●CCとBCCの違いは何ですか?
●添付ファイルは何メガくらいまでなら相手に負担がかかりませんか?
●送ったメールが変なところで改行されて書式が崩れてしまいますが、どうしてですか?
●文字化けしてしまうのですが、どうすればいいですか?
ビジネス文書については、以下のような質問があります。
●役職名の後に「様」をつけてもいいのですか?
●自分の動作にも「お」や「ご」をつけるべきですか?
●送付状の作り方がわかりません。
このような質問があるということは、入社前に教わる機会がなく、なおかつ、入社後にも教わることができなかった結果だと言えます。知っている人にとっては「こんなことを知らない人もいるの?」と思われるようなことですが、知らないまま業務を進めると、思わぬリスクが生じるかもしれません。実際、知られてはいけない人に、CCでメールを送ってしまったり、送付状をつけずに郵送・宅配したりするケースもあるようです。
ちなみに、Outlookの1行の文字数は全角で38文字です。それ以上の場合は、自動的に折り返されてしまいますので、できるだけ35文字以内で改行するように心がけるといいでしょう。意外にご存じの方が少ないので、気をつけられるといいかと思います。
書く以前に求められる必要な知識を
さて、このたび『ビジネス文書マスターコース』の教材を全面改訂いたしました。受講者からいただいた質問の回答内容を盛り込んだのはもちろん、特に電子メールに関連する内容を厚くしました。電子メールは便利な反面、マナーやセキュリティ、著作権などにも注意を払う必要があるからです。また、メールソフトが変化していますので、それに対応できる操作方法や機能の知識も身につけられるようにしました。
今や、「そんなこと教えなくてもわかるだろ」という時代ではありません。新入社員に覚えてほしいことは、組織が教えるしかないのです。
『ビジネス文書マスターコース』では、文章を書く以前の「ビジネスパーソンとしてきちんと文書を作るために必要な知識」の習得に重点を置いています。しかも、添削問題による応用力の養成や、文書・書式例データの活用も可能です。日本マンパワーの新入社員教育の必修講座にもなっています。
文書規程のある組織にも文書規程のない組織にも対応できるよう配慮した教材となっていますので、ぜひ有効にご活用いただければと思います。