ちょっと一息

「キャリアカウンセラー」試験基準改訂

現行基準と新基準、どちらを受けるのが得か?

[2012/08/29]


CDA1 望ましいキャリアの選択・開発を支援するキャリア形成の専門家、キャリアカウンセラー。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)は、キャリアカウンセラーの実務家向け資格として、日本キャリア開発協会が認定している資格です。
 そのCDAの資格取得試験の基準が、来年4月1日から新しくなります。そのため、来年4月以降の受験を目指す人は、新しい基準に準拠した学習が必要になります。また逆に言えば、現行の基準は、来年3月までの試験で終了してしまいます。
 つまり、現在は「CDA学習の過渡期」だと言えるのです。
 そこで当然生じる疑問が、【現行基準と新基準、どちらの試験を目指せばいいのだろう?】ということです。
 みなさんのそうした疑問に対して、学習カリキュラムの変更点などを含めて、日本マンパワー・CDA通学部の碓井正孝さんに答えていただきました。ぜひご参照ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 CDA通学部 講座管理課長
 碓井 正孝 さん


CDA試験基準改訂の背景
CDA1
 「なぜCDAの試験基準が変更されることになったか」という背景から順を追ってご説明いたします。
 今回の改訂は、厚生労働省が『標準レベルのキャリア・コンサルタントに求められる能力要件の見直しと拡充』に関する通達を発したことによります。CDAの資格取得者は、厚生労働省から『標準レベルのキャリア・コンサルタント』として指定を受けていますので、「資格認定機関である日本キャリア開発協会が、厚生労働省の『能力要件の見直しと拡充』に沿って基準を改訂した」という経緯になります。


教材・カリキュラムの変更点

 試験基準の変更に伴って、日本マンパワーのCDA養成講座の教材やカリキュラムについても改訂します。
 まず、通信講座のテキストについては、3分の1程度を改訂そして新規追加する予定です。
 また、通学コースのカリキュラムについては、次の4つが主な大きな変更ポイントになります。
(1)「経験を学びにする」ための関わり方を体系化
(2)最新の理論を追加
(3)実習時間をさらに増加
(4)厚生労働省のキャリアコンサルタント能力評価基準に則った内容に変更
 (厚生労働省の指定により、新たに「JOBカード」「自律困難な若年者のキャリア支援」が追加、また助言や情報提供など相談者により積極的に関わる技法の充実)

 「ジョブ・カード」については、まったく新しく追加されるテーマです。ジョブ・カードとは、就職活動やキャリア形成を支援するツールのひとつです。ただ、たとえ現行基準で合格した有資格者であっても、厚生労働省の委託機関で無料講習(1日)を受けることが可能です。


カリキュラム移行のスケジュール

 通信講座については、今年10月から新しいテキストで開講する予定です。
 通学コースについては、試験日程との関係で、次のような移行スケジュールになります。 

通学コースカリキュラム

 第40回通学コースは、一次試験2月、二次試験4月の合格を目指すクラスとなります。一方の第41回通学コースは、試験時期が例年通りだと仮定した場合、一次試験6月、二次試験8月の合格を目指すことになります。

 あわせてご留意いただきたいのは、新しいカリキュラムではスクーリング日数が2日増えることです。受講料についても約3万円高くなります。


現行と新、どちらを選ぶか

 こうした状況ですから、「第40回通学コースと第41回通学コースとでは、どちらを受講するのがいいでしょうか?」というご質問をみなさんからうかがいます。結論としては、「志向によって異なります」と言わざるを得ませんが、それをご説明する前に、次の前提事項をご確認ください。

 ●「現行基準で資格を取得された方も新基準で資格を取得された方も、CDAとしての資格に差はない」と日本キャリア開発協会が発表している。
 ●第40回・第41回のいずれの受講であっても、合格すれば「新基準のCDA」となる。
  (第40回通学コースの対象となる二次試験が来年4月であるため)
 ●第40回・第41回のいずれの受講であっても、合格して希望すれば登録キャリア・コンサルタントになることができ、ジョブ・カードを扱うことができる。
 ●第40回通学コースの受講者には、日本マンパワーが新基準に準拠したテキストを無料進呈するほか、第41回通学コースとの差分をまとめた映像ディスクを無料進呈する。
 ●新基準二次試験(実技)の合否判定基準に関しては、「インテーク面談の続きをどう展開しようとしたのか」という評価項目が追加されているが、基本的には現行のそれと変わらないものと推測される。

 つまり、第40回通学コースと第41回通学コースとを比較する際、「いずれで取得するCDAが優位か?」「いずれが合格しやすいか?」「不合格になった場合、第40回通学コースは不利ではないか?」という観点で悩む必要はないということです。これらについては「どちらでも大差はない」と言えるでしょう。


第40回に向く方、第41回に向く方CDA3

 さて、「第40回通学コースと第41回通学コースとでは、どちらを受講するのがいいでしょうか?」というご質問に対する私の答えは次のようになります。

 第40回通学コースに向く方は、
  ・早く資格を取得したい方
  ・多忙なため、スクーリングの日数を割きにくい方
  ・すでに通信講座を受講された経験のある方

 第41回通学コースに向く方は、
  ・資格取得を急いでいない方
  ・新基準に準拠した内容を学びたい方

 もっとも、どのような資格も同じですが、資格取得はゴールではなくスタートです。実務に活かせるようになるためには、資格取得後の経験や自己研鑽が非常に重要になってきます。そうした意味では、基準の新旧にこだわりすぎる必要はないかと思います。
 その他、ご質問・ご相談がございましたら、いつでもお気軽に日本マンパワーCDA事務局にお問い合わせください。

キャリアカウンセラー(CDA)お問い合わせ先
https://biz.nipponmanpower.co.jp/ps/choose/cda/inquiry/

 

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