心がモヤモヤ・イライラする原因は?
[2009/01/28]
「心がモヤモヤする」
「なんだかイライラする」
「なんとなく日々がつまらない」
そんな、心の奥がつかえたような感覚になることはありませんか? そうした感覚にはなにか原因があり、その原因を見つけられれば納得のできる日々が送れるようです。
また、「自分には大した取り柄がない」「自分に自信がない」という思い。そうした思いにも原因があり、誰もが必ず持っている取り柄や自信の源が見えないだけだと言われます。
それを教えてくれたのは、キャリアカウンセラーの水野みちさん。今回は水野さんに、モヤモヤやイライラの原因についてお話を伺いました。
●今回お話を聞いたのは・・・
株式会社日本マンパワー
キャリアドック部
CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
水野 みち さん
たとえば、あなたが以前からプロジェクトの企画を温めていたとします。それを会議で発表したところ、社内の反応が思いのほか良かった。上司からも高い評価を受けた。「さあ、いよいよプロジェクト開始か」とやる気になっていた矢先、タイミング悪く会社の予算に合わず、実施が見送られてしまった・・・。
それが初めての経験であれば、次の機会に希望を託すことでしょう。しかし、何度も同じようなことがあると・・・諦めの気持ちが積もってしまい、企画提案しようとする熱い思いまでも冷めてしまいがちです。場合によっては、会社や上司のことが嫌いになるかもしれません。
似たようなことは、プライベートでも経験している可能性があります。たとえば小学生時代の授業中、ある事柄に興味を持ち、少し恥ずかしかったけれど、勇気を出して先生に質問した。そうしたら、「今は発言する時じゃない」と先生から怒られ、クラスメートから冷やかされてしまった。その結果、興味の芽を摘まれたばかりか、ほかの科目でも自信が持てなくなってしまった。
私たちは、知らず知らずのうちにこうした苦い経験をしている可能性があります。興味を持って近づいたら、怖い思いをした、恥ずかしい思いをした、プライドを傷つけられた等々。そして、以前は確かに持っていた熱い思いや興味の種を心の奥にしまいこみ、眠らせているかもしれません。これ以上、自分が傷つかないように。
「心がモヤモヤする」「なんだかイライラする」「なんとなく日々がつまらない」などの思いの背景には、こうした経験が隠されていることがあります。また、心の奥に眠らせているわけではないけれど、「自分なんて大したことない」と決めつけてしまっていることが、その原因になっていることもあります。
モヤモヤしたりイライラしたりすることは、けっして悪いことではありません。むしろ、自分が「成長したい」「変わりたい」と感じている証であると言えます。
でも、モヤモヤやイライラを放っておいていいというわけでもありません。自分自身、気持ちのよいものではありませんし、別のことに八つ当たりしたりする原因にもなるでしょう。
大切なことは、モヤモヤやイライラの原因を探り、心の奥にしまいこんだ「自分らしい思いや価値観」を掘り起こすこと。そして、その思いや価値観を大切に残して、状況が変わったら別の形で活かしていこうと考えることです。
思い当たることがある人は、一度キャリアカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか?
たとえば、「あの人が気に入らない」という悩み。それを同僚や友人に相談すると、「そんなに気にすることないよ」「仕事だから我慢するしかない」など、気に入らない相手といかにうまく付き合っていくかの対処法をアドバイスされることが多いのではないでしょうか?
しかし、根本的な原因がほかにあったとしたら、たとえ異動や転勤で気に入らない人と離れても、いずれ同じ問題に突き当たることになります。
キャリアカウンセリングのスタンスは、対処法をアドバイスすることではありません。「気に入らない」などの表面的な悩みの奥に、どのような欲求や価値観が潜んでいるかを一緒に探すお手伝いをいたします。自分の大切な思いや価値観は、どんなに深い眠りについていても、日常のなにげない言動ににじみ出てきます。
それを見つけ、「それはどういう思いなのでしょう?」「なぜそう思ったのでしょう?」ときめ細かくひもといていくことで、 “心の掘り起こし”をサポートします。