ちょっと一息

「中小企業診断士」学習のコツ

迷っている人、途中で止めてしまった人へ

[2014/03/26]

迷い 中小企業診断士は、ビジネス社会の中で非常に注目され、持っているだけで一目置かれるほどの国家資格です。経営コンサルタントを目指す人だけでなく、あらゆる業種に対応する、高度な専門知識と実践的なコンサルティングスキルが武器になります。みなさんも一度は「診断士の資格があればいいなあ」と思ったことがあるのではないでしょうか。
 ただ、実際に資格を取得しようとすると、1年間近く本格的に学習する必要があります。そのため、つい二の足を踏んでしまったり、途中で学習を諦めてしまったりする人もいるでしょう。
 でも! 一度でも「チャレンジしてみようかな」と思った人は、それだけでほかの人とは違うのです。多くのビジネスパーソンは「チャレンジしようとも思わない」のですから。

 そこで、「今、学習を始めようかどうか迷っている人」「一度は学習を始めたものの、途中で止めてしまった人」に、本記事をお送りします。4月という時期は、そうした人にとってターニングポイントとなるからです。もしかすると、この記事を読んだことがきっかけで、明るい未来が拓けるかもしれません。
 日本マンパワーの講座運営担当で、自身も診断士の資格を保有している高橋哲史さんにお話をうかがいました。ご参照ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 キャリアクリエイト部 1課
 高橋 哲史 さん


学習を始めようかどうか迷っている人へ

 中小企業診断士の試験は、8月に1次試験、10月に2次試験が行われます。現在は、今年8月の1次試験を目指している人が、問題演習に取り組み始めた時期だと言えます。ですから、「受験に挑戦しようかどうか迷っている人」は、おそらく来年度(2015年度)の試験に目が向いているのではないかと思います。
 ただ、受験機関等がテキストを新年度版に更新したり、2015年向けの講座を本格的に開講したりするのは6月以降が多く、つまり、2015年度試験を目指す人は、6月以降に開講する講座を受講することになります。そうすると、この4月・5月を含む2カ月以上が、悩んでいるだけの期間ということになってしまいます。非常にもったいないと思いませんか?

ゴール そこで2つご提案させていただきます。
 1つ目は、今学習を始めようかと検討している人に向けて。
 検討中ということは、自分のモチベーションが高まっている証拠ですから、まずは「企業経営理論」の科目だけ学習してみてはいかがでしょう。日本マンパワーであれば、中小企業診断士受験通信講座 科目別コース企業経営理論』という通信講座を比較的安価に受講することが可能です。
 「企業経営理論」とは経営学に関する科目で、企業の本質、成長戦略、競争戦略、技術戦略、組織運営、人的資源管理、マーケティング戦略、消費者行動、マーケティングミックスなど、企業活動について幅広く学びます。
 「企業経営理論」をお勧めする理由は、診断士の受験科目の中で最も基本となる科目だからです。この科目を学習してみた上で「引き続き挑戦するかどうか」を決めれば、2カ月間を無駄にすることはありません。もし「1年間がんばってみよう」と思えば、ほかの人より2カ月以上リードしていることになります(テキストが旧版となりますが、本科目のテキスト内容は労働法規の部分を除き、年度による変更は多くはありません)。一方、たとえ「やっぱり止めよう」という結果になっても、学習したことは今後のビジネスのプラスになるはずです。

 この時期であれば、必死で暗記するような学習は不要です。普通であれば1カ月程度で終えるテキストを、この考え方を実際の会社にあてはめてみたらどうだろうか?」などと考えながら2カ月間かけてじっくり読めば、楽しく実のある学習になるだろうと思います。
 また、そうした読み方は、診断士試験に挑戦する際、2次試験でも効果を発揮するでしょう。

 ちなみに、例年1次試験の申込締切は5月末頃です。2カ月後に、翌年の受験を決意していたら、予行演習のつもりで今年度試験に挑戦してみるのもいいかもしれません。7科目すべての試験を実体験できますし、「企業経営理論」だけでも科目合格したらラッキーです。翌年に向けての試験対策が楽なります。


学習を途中で止めてしまった人へ手帳

 もうひとつのご提案は、一度は学習したものの途中で止めてしまった人に向けてです。
 以前、どこまで学習が進んでいたかにもよりますが、テキストをおおよそ通読した人であれば、今からでも遅くはありません。これから今年8月の1次試験にチャレンジしましょう。逆転合格は十分に可能です。
 なぜなら、8月の1次試験までに少なくとも200時間の学習時間をられるだろうからです。週末に1日6時間だけ学習するとしても、月に50時間、4カ月で200時間の計算です。200時間というのは、日本マンパワーの通学コース講義時間の総計とほぼ同じか、コースによってはそれよりも多いのです。工夫次第で、さらに学習時間を作ることも可能でしょう。

 せっかく一度学習したのですから、それを放っておくのはもったいないことです。将来のために、再度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 学習を再開されるのであれば、問題演習を中心に学習するのが効果的です。まず過去問3年分の学習に取り組んでみましょう。問題を解いた上で、解答解説をきちんと理解してください。正解選択肢の根拠だけではなく、不正解選択肢の根拠までしっかりと頭に入れることが大切です。
 そして、わからなかった問題だけピックアップして平日のすき間時間などで復習すれば、相当の力が養われるはずです。何回も繰り返し問題を解いていけば、復習すべき問題も減ってくると思います。
 さらに直前学習として、腕試しのために模擬試験を受けたり、弊社の答案練習会に参加たりすれば、短期集中でもなお実力がつくでしょう。

 迷っている人にも共通して言えることですが、受験をすればやる気が出ます。そして、自分やる気を引き出すのも能力のひとつです。まずは、思い立った時にやってみる。そう考えてみてはいかがでしょうか。

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