論述試験の得点力を上げる、効果的な学習のポイント
[2018/05/30]
キャリアコンサルタント試験の実技・論述試験。受験を控えるみなさんは、論述試験でどのようなことが求められ、どのような対策をすればいいとお考えですか? なかには、心配の種になっている人もいるのではないでしょうか。実際、受験生の間からは、次のような声も聞かれます。
「何を書いていいか、わからない」
「どのように学習すればいいのか、わからない」
「解答が発表されていないので、自分の答えが合っているか不安」
そこで今回は、論述試験対策にスポットを当てて、日本マンパワー『実技・論述試験対策講座』の運営担当者にお話をうかがいました。紹介していただいた学習法などは、きっとお役立ていただけるものと思います。受験生の方は必見です。ぜひご参照ください。
※本記事は、日本マンパワーの『キャリアコンサルタント養成講座』を受講した方を対象としています。また、論述試験に関しては、日本キャリア開発協会の試験を想定した内容となっています。
●今回お話を聞いたのは・・・
日本マンパワー
CDA事務局 講座開発課
藤岡 悦子 さん
論述試験の出題パターン
キャリアコンサルタント試験の実技・論述試験は、出題パターンがほぼ安定してきました。今後の動向については不明ですが、第7回試験までは、キャリアコンサルティング事例の逐語記録を読んで、設問に答えるパターンとなっています。
逐語記録で示されるのは、同じ主訴の同じ相談者に対して、キャリアコンサルタントの対応が異なる2つの事例です。いわば、キャリアコンサルタントとして「望ましい事例」と「望ましくない事例」です。
設問で問われるのは、「2つの事例の違いを、指定語句を使用して説明」「下線部のキャリアコンサルタントの応答が相応しいか相応しくないかの判断、およびその理由」「相談者の問題」「今後どのようなやりとりを面談で展開するか」です。
第7回試験までは、基本的にこのような出題パターンでした。
理解しておくべき基本的事項
こうした出題で、受験者はどのようなことを問われ、試験実施機関は何を見ようとしているのでしょうか?
それを考える手がかりとして、まず意識しなければいけないのは、「論述試験は、筆記試験ではなく、実技試験である」ということです。実技試験に位置づけられているということは、知識や文章力が問われているわけではないはずです。「実技」だということは、ロールプレイングでしょうか。
私たちは、論述試験を「紙上キャリアコンサルティング」だと捉えています。受験者が試験実施機関に問われていることは、ロールプレイングとほぼ同じだと考えていいでしょう。紙に文章で表現するか、声・表情・態度などで表現するかが異なるだけだと思います。
そのため、論述試験には画一的な模範解答がありません。実際のキャリアコンサルティングにも模範解答がありませんから。
ただ、理解しておくべき基本的事項はあります。それは、
「キャリアコンサルティングとは何か」
「キャリアコンサルティングの目的は何か(何のためにクライエントにかかわるのか)」
「キャリアコンサルタントにはどのような支援スタンス(心掛け)が求められるのか」
ということです。しかも論述試験ですから、これらを踏まえた上で、ケースに合わせて文章として言語化する必要があります。
みなさんは、これら3つについて理解していますか? それを言語化して答えられますか? これはロールプレイングにも少なからず影響しますので、答えるのが難しい場合はなるべく早めに学習し直すことをお薦めいたします。
養成講座の復習から始めよう
試験対策として、効果的な3つの学習方法をご紹介します。
まず1つは、『キャリアコンサルタント養成講座』のスクーリングで習ったことの復習です。受講生の中には「養成講座で論述試験対策をやってもらえなかった」という人もいますが、そんなことはありません。そう感じてしまうのは、論述試験を筆記試験のように捉え、「ハウツーを教えてもらえば正答できる」と勘違いしているからではないでしょうか。むしろ、10日間のスクーリングすべてが論述試験対策につながり、面接試験対策にもつながるのです。
たとえば、スクーリング1日目、2日目のレジュメを見直してみると、先に挙げた「理解しておくべき基本事項」を復習できるはずです。
また、8日目のレジュメには、長崎さんのケースとしてキャリアコンサルタントの対応が逐語記録として紹介されています。しかも、対応が適切かどうかを考える観点のポイントや、フィードバック前・フィードバック後の違いについても記されています。まさに論述試験対策に役立つ内容です。
これが、お薦め学習方法の1つ目です。
自分の逐語記録や過去問も活用
2つ目の学習方法は、ロールプレイングの振り返りです。
自分がキャリアコンサルタント役の際、録音をして、その逐語記録を作成してみてください。きっと、自分の問いかけの中に「望ましい問いかけ」と「望ましくない問いかけ」があるはずです。それらについて、「なぜ望ましいのか」「なぜ望ましくないのか」まで掘り下げて考察してみましょう。それを的確に言語化しようとすることは、論述試験対策の効果的なトレーニングになります。また、面接試験の口頭試問対策にもつながります。
3つ目は、過去問をグループで学習することです。
日本キャリア開発協会のウェブサイトから、最近3回分の過去問をダウンロードすることができます。それを実際に解いてみて、どのような解答が望ましいかをみんなで一緒に考えてみてはどうでしょうか。
みんなで答えをシェアしたり、話し合ったりすれば、ほかの人の表現や言い回し、ボキャブラリーなどを吸収することができます。また、時間を計って問題を解く、手書きで解答用紙に文字を埋める練習を重ねるといったことも非常に重要です。最近は、パソコンやスマートフォンを使うことが多く、字を書く機会が減っています。どのくらいのスピードで、どのくらい文字数を書けば、時間内に解答用紙を埋められるか、実際に手を動かして把握しておいていただきたいと思います。
プロ講師が指導する少人数制の講座
ただ、今ご紹介した3つの学習方法には、「解答が適切かどうか」に多少の不安が残ることは確かです。また、グループで学習するのが難しい場合もあるでしょう。
そうした点で最もお薦めしたいのが、日本マンパワーの『実技・論述試験対策講座』です。これは、受講生定員12人に対して講師が2人つくという、少人数の受験対策講座です。日本キャリア開発協会の論述試験を想定した問題2ケースを、4時間でみっちりと学ぶことができます。
具体的なカリキュラムとしては、次のようになります。
(1)理解しておくべきキャリアコンサルティングの基本事項を復習
(2)オリジナル逐語記録を基にした問題(ケース1)の演習
(3)問題(ケース1)の解答のシェアと講師解説
(4)オリジナル逐語記録を基にした問題(ケース2)の演習
(5)問題(ケース2)の解答の講師解説
ケース1もケース2も、本試験と同等の出題内容・出題レベルを意識して問題作成していますので、解答練習に最適です。
また、プログラムの(3)では、解答を導くためのポイントを解説するほか、ほかの受講生の解答も聞くことができますので、考え方や表現・ボキャブラリーの向上にも役立つものと思われます。さらにケース1については、受講生が解いた答えに対して、簡単ではありますが、講師が個別添削をして当日お戻しいたします。講師は全員、面接試験対策講座でロールプレイングを指導されている方々ですので、適切な解答・解説であることは間違いありません。
実際に受講された方からも、「書き方のポイントがわかった」「講師のフィードバックが役に立った」「いろいろな人の解答が聞けて参考になった」と好評です。
第9回試験対策としては、仙台・東京・名古屋・大阪で7月から8月にかけて開催する予定です。7月実施分は6月14日(木)からお申し込みを受け付けます。各クラス満員になり次第、締め切らせていただきますので、興味のある方はお早めにお申し込みください。併せて『面接基礎確認講座 ロールプレイング基本コース』も受講すれば、本試験はもちろん、資格取得後まで役立つものと思われます。
(注釈 再掲)
※本記事は、日本マンパワーの『キャリアコンサルタント養成講座』を受講した方を対象としています。また、論述試験に関しては、日本キャリア開発協会の試験を想定した内容となっています。