ちょっと一息

自分を知り、相手を知る

実生活に役立つ「ココロの法則」

[2007/07/26]

「なぜあの時、イエスと言ってしまったのだろう?」
 こんな思いをした経験はありませんか? 私たちは人と接する時、何らかの心理が働きます。相手の心が読めたら簡単なのですが、相手の心どころか、自分の心でさえわからない時もあります。でも、実生活に役立つ「ココロの法則」がわかったら・・・。

 心理学のポイントを知り、それを実生活に応用してみると、これまで疑問に感じていた言動の理由がわかるみたいですよ。たとえば、次の2つのうち、あなたはいずれかにあてはまりますか? これで、みなさんがどのようなパターンで「都合のいいカモネギ」になるかがわかります。


 A 依頼を断った後に、相手が依頼の内容を少し減らして再び頼んできた場合、少々無理をしてでも引き受けることがある。

 B 何か得するようなことを言われて乗り気になったが、途中で向こうの話が変わってきた。しかし、今さら断わるのもはばかられる気がして、断われない。



***「都合のいい人」にならないために***
 A・B両方にあてはまる人もいるかと思います。でも、心配することはありません。これらは、誰の心にも潜んでいる心理なのです。ただ、場合によっては、相手に「カモネギの心理」を利用されているかもしれません。

 Aの場合は、
ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック(譲歩誘導法)と呼ばれる説得法が使われている可能性があります。ドア・イン・ザ・フェイス・テクニックとは、相手が必ずノーと言うような大き目の(見せかけの)願いを最初に示し、次にそれより小さな願い(本当の願い)に変えるという流れにして、相手からイエスを引き出す手法です。それに対して多くの人は、「相手が譲歩したのだから、自分も譲歩しなくては」と感じ、無理に相手の願いを叶えてあげようとしがちなのです。

 Bの場合は、
ローボール・テクニック(承諾先取要請法)という手法が使われている可能性があります。ローボール・テクニックとは、相手が決心する動機となるような「特典」を与えてイエスを引き出し、頃合いを見計らってその「特典」を取り消す説得の手法です。イエスと言った人は、すでに自分の判断を正当化してしまっているので、最初の「特典」が取り去られても決心が崩れないのです。

 ついつい「カモネギ」になってしまう心理パターン(法則)は、ほかにもいくつかあります。しかし、自分が「カモネギ」になるのを防ぐためには、自らが気をつけるしかありません。知識を広めた上で、「この借りは本当に返さなくてはならないのか?」「この頼みを断わるとどうなるか?」「なぜ自分は最初の決断をしたか?」「その時と今とでは、何がどう変わっているか?」などを自問することが大切です。



***いつ、どんな相手に魅力を感じてしまうか?***
  また、心理学を活用すれば、人の「虜(とりこ)度」もわかります。「なぜあの時、あの人に魅力を感じてしまったのだろう?」などの疑問が解明できるのです。たとえば、あなたは次のいずれかのタイプにあてはまりますか?

 C 自分が主導権を握れる関係には魅力を感じる。

 D 反対されると余計にそれを手に入れたくなる。

 Cは
「興味加減の法則」についてのチェック項目です。興味加減の法則とは、「相手に対する興味の度合いが小さい方が主導権を握るという、人間関係における力関係の法則」のことです。たとえば、「追えば逃げる、逃げれば追う」という心理。この場合、逃げる人の方が主導権を握っています。
 そして、相手に対する興味の度合いの小さい人は、関係性を維持したいと願う相手から何らかの報酬を受けるケースが見られます。こうした報酬をもらう関係に魅力を感じる心理は、いわば“思い通りになることの魅力”と言えます。Cのタイプにあてはまる人は、その傾向が強いようです。

 逆に、思い通りにならない(何らかの障害がある)ことが逆に魅力となり、その関係をより深めたいと思う心理が“思い通りにならないことの魅力”です。Dのタイプにあてはまる人はこちらですね。
 シェイクスピア作の『ロミオとジュリエット』では、家族からの干渉と猛反対により、2人の恋がさらに燃え上がりました。そのことから、周囲の人々に反対されることで、その相手との関係を深めたいとより強く思う心理のことを、
「ロミオとジュリエット効果」と呼んでいます。

 こうした人に魅かれる心理にもいくつかの法則があり、それを知ることでパターンを探ることができます。


***自分を伝えると同時に、相手を理解する***
 いかがでしょうか? もっといろいろな「ココロの法則」を知りたくなりますよね。
 「なぜ、バーゲン中だと聞くと、要らないものを買ってしまうのか?」
 「なぜ、ここの店でしか買えないと聞くと、つい財布のヒモがゆるんでしまうのか?」
 「なぜ、ひとめぼれをしてしまうのか?」
 「なぜ、医者の指示にはキチンと従ってしまうのか?」
 「なぜ、自分の意見がみんなと違っていると何となく不安になるのか?」


 また、法則を知るだけでなく、本当の自分を発見し、自分を相手にきちんと伝え、相手の本心も理解して、よりよい人間関係を築きたいものです。

 これらの内容は、実は日本マンパワーの「ココロやさしく心理学」という通信講座のテキストにすべて掲載されています。心の成長やメンタルヘルス、心のリラックス法についても記載されているほか、コンピュータ診断による性格検査も受けることができます。興味のある人はこちらから詳細をご参照ください。

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