ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方 vol.63

大学就職支援第一人者がCDA取得で得たもの

[2013/11/28]

相談 マスコミや大学関係者などに注目されている日本大学文理学部の就職指導課。先月お伝えしたように、就活再現演劇「4年生内定者による就職活動再現講座」や、内定者100人以上の就活事例が記載された『ジョブガイド』など、他大学では見られない画期的な取り組みが行われています。
 同課で主任を務める友寄秀俊さんは、就職支援のキャリア10年。これまで新しい就職支援プログラムを開発し、取り組みを牽引してきたキーパーソンの1人であることは間違いありません。
 そんな友寄さんが、昨年CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格を取得しました。すでに何冊もの就職活動本を監修し、名実ともに活躍されている友寄さんが、なぜCDAを取得しようと決心したのでしょうか? また、取得後にはどのようなメリットを得たのでしょうか?
 大学就職支援第一人者のCDA活用をご紹介いたします。ぜひご参照ください。

●今回お話を聞いたのは・・・
 日本大学 文理学部
 就職指導課 主任
 友寄 秀俊(ともより・ひでとし) さん
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

1978年埼玉県生まれ。2001年、日本大学法学部を卒業後、同大学に入職。文理学部会計課を経て、2004年から現職。毎年、文系・理系の学生約2,000人に対し、就職に関する講義・面談などを行う。主な監修書に『就職活動スタートブック』『入りたい業界・企業が見つかる本』『エントリーシート 志望動機・自己PRの書き方がわかる本』(すべて洋泉社)などがある。


多様性専門性と信頼性を高めると確信

 私はこれまで、大学生を対象とした講義個人面談の際、自分の経験や学生の事例をリソースとして対応してきました。しかし、学生の価値観は多様で、就職活動がうまくいかない理由も千差万別です。感情も揺れ動きます。そのため以前から、理論に基づいたキャリアカウンセリングの必要性を感じていました。ただ、大学職員は別の部署への人事異動もあることから、「本気になって勉強しよう」と腹をくくる覚悟を先延ばしにしてきました。
 その覚悟を決めたのは、大学生の時に就職活動で知り合った仲間の影響です。日本マンパワーのCDA無料説明会に参加した後、すでにCDAを取得している彼と話したのです。そして、理論を学べば専門性を高められる」「CDAを取得することは社会的な信頼性につながることを確信し、腹をくくりました。


通学クラスの人脈は貴重な財産

 日本マンパワーの通学クラスでの学習は非常に有意義なものでした。
 これまで「たぶん正しいだろう」と思って取り組んできたことが、きちんとした理論に裏付けられとともに、自分が知らなかった知識も多く学ぶことができました。また、「人と関わりたい」「他人を支援したい」という志の高い方が世代・立場を問わず集まってきまので、大きな刺激になりました。授業のカリキュラムには、自分たちの心を打ち明けるロールプレイがあるのですが、30代の私が知り得ない40代・50代の方の悩みなどを聞くことができ、人生勉強にもなりました。
 教室でともに学んだ方々とは、今でもお付き合いさせていただいています。なかには人事・採用担当者もいますし、大学関係者もいます。学生のOB・OG訪問を受け入れてくださる方もいます。CDAを通して得た人脈は貴重な財産になっています。


ジャンプ(たて)CDAを取得して変わったこと

 CDAを取得して得たこと、変わったことはたくさんあります。
 まず、個人面談時の傾聴スキルが身につきました。それまで私は、どちらかというと「これが成功事例だから参考にしてみよう」というようなコンサルティング的支援が強かったように思います。
 でも、学生は一人ひとり悩みや状況が違います。自分に自信が持てなくて人の顔すら見られない学生もいれば、複数社から内定をもらって悩む学生もいます。その悩みの原因を紐解けば、それぞれ異なる背景もあります。ですから、職員からの押し付けでは腑に落ちません。
 けれども今は、授業で学んだ傾聴無条件の肯定的配慮を大切にすることで、学生との信頼関係が構築され、学生自身の気づきを促ことができるようになったと思います。自ら気づいたことは、学生も進んで取り組みます。納得してすっきりした表情で前向きになる学生を見送れるようになったのは、傾聴スキルが身についたおかげだと思います。
 また、以前に比べて、学生の本音を引き出せるようになりました。表現や表情などの配慮によって、感情をつかむのが上手になったからだと思います。
 多様な価値観に対応した講義や面談を行えるようになったのも、大きな収穫です。私は、1学年約2000人を対象に講義をする機会がありますが、2000人の心に訴える話をするのは至難のわざです。それでも、いろいろな学生の価値観に合わせられるよう、事例や解説を工夫するようにしています。面談時にはカードソートもよく活用しています。これはキャリアカウンセラーの通学コースで学べる自分の仕事への価値観を整理することができるツールです。

 もし、これからCDAの勉強を始めようかどうか考えていらっしゃる方がいれば、経済的・時間的な制約さえ解決できるのであれば、ぜひチャレンジすることをお勧いたします。

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