ちょっと一息

キャリアの探し方・作り方 vol.10

自分の特性を見つける「魔法の曲線」

[2007/09/26]

 先日、実家に帰ったら、私が中学生の頃に描いた日記を見つけました。文面を読むと、友だちやクラブ活動のことに真剣に向き合っていて、「あの頃の自分はがんばっていたんだなぁ」と我ながら感心しました。そしてなんとなく、今の自分を支えている特性を見つけたような気がしました。
 キャリアアップをしていくためには、自分の特性、なかでも「自分の強み」を知ることがとても大切だと言われます。強みを知り、それを発揮してこそ自分の勝ちパターンにつながり、充実感や達成感を得られるからです。
 みなさんはいかがですか? 自分の強みを即座に挙げることができますか?
 自分ではなかなか判断できませんよね。そんな時は、簡単なツールを使って過去の自分を振り返ってみるといいかもしれません。そのツールとは・・・

 ライフラインチャート!
 紙1枚、鉛筆1本で手軽にできますので、ぜひお試しください。魔法の曲線(?)が描けます。

●今回お話しを聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 キャリアドック部 CDAセクター  森 和恵 さん


−過去の成功体験から「強み」が見つかる−
 「自分の強みを見つけるためには、過去の成功体験を分析することをお勧めします。成功体験といっても、『100点を取った』とか『優勝した』などの結果だけを指すわけではありません。むしろ、自分なりにがんばったと思える過程が大切です。『満足感を得たこと』『充実していたと思えること』だと言い換えることもできます。
 たとえば、1年間皆勤だったということでも構いません。何か思い浮かんだら、その理由を考えてみましょう。自分はなぜ、皆勤することができたのか? そうすれば、『規則正しい生活習慣を送っていたから』とか、『健康管理を心掛けていたから』などの根拠を得られるはずです。こうしたことをいくつか見つけて、根拠の共通点を言葉に表現できた時、それこそが自分の強みとなるのです。
 私は学生の方を対象にキャリアップのセミナーを行うことが多いのですが、そうした際にも
『強みの発見』を促しています。学生の中には、『成功体験なんて何もないよ』という人もいますが、そんなことはありません。誰にも必ず成功体験があり、強みがあるはずなのです」


−0歳から現在までの満足度チャート−
 「成功体験や強みを見つけられない場合は、『ライフラインチャート』を描いてみることをお勧めします。
 ライフラインチャートとは、縦軸に満足度(充実度)、横軸に過去の年齢(時間軸)をとったグラフです。そして、生まれた時から現在に至るまでの満足度(充実度)について、フリーハンドで曲線を描くのです。満足していた時期はラインを上げ、あまり満足できなかった時期はラインを下げます。



 そうすると、どんな人でもラインが上がったり下がったりするはずです。その上下変動の中で、ラインの上がった時期に注目してみましょう。
 『自分はなぜ、この時期に満足感を得られたのだろうか?』
 たとえば、クラブ活動に一生懸命取り組んでいた、良き理解者がいた、新しい分野に挑戦していたなど、満足できた理由を考えてみてください。そして、それらの共通点を見い出すのです。そうすれば、自分の特性が見えてくるはずです。
 逆に、ラインが下がった時期についても考えてみます。
 『自分はなぜ、辛かったこの時期を乗り越えることができたのだろうか?』
 辛く、苦しい時の乗り越え方についても、自分独自の特性が見えてきます」



−曲線を描けば何かを発見できる−
 「ライフラインチャートを描くワークは、社会人向けの研修でもよく行われる手法です。数人のグループに分かれ、自分のライン変動の理由について1人ずつ発表することもありますが、そうしたワークショップでは非常に盛り上がりますよ。自分の過去を話し出して止まらず、制限時間を超えてしまうこともしばしばです。もちろん、そのワークで初めて『自分らしさ』を発見できる人もいます。
 とても簡単で手軽な手法ですが、自分の全体像を振り返るためには非常に役立つ手法でもあります。これをきっかけに、より細かく自分を棚卸ししてモチベーションの源泉を辿ることができれば、将来進むべき方向性を明確にすることができます。もちろん、仕事や学習を自分に合ったやり方で強化することも可能です。また、未来のラインまで描いてみれば、目標のイメージ作りにもつながります。
 何かが見つかる曲線、描いてみる価値はあると思います。みなさんの将来にお役立てください」
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