ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方 vol.92

「まだ見ぬ不安」に“もやもや”していませんか?

[2017/04/27]

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今は女性活躍社会と言われ、女性活躍推進法も施行されました。大手企業を中心に、女性管理職の割合を増やそうとする動きもあります。もしかすると、みなさんご自身にも「管理職になってほしい」と打診があるかもしれません。
 でも・・・当の女性本人にとっては、管理職になることが必ずしも喜ばしいことだとは限らないようです。
 「そんな自信なんてないよ〜」
 「私なんて大したことないし・・・」
 心の中でそんな思いをしている人も多くいるようです。それ以前の問題として、心に抱えている不安や悩みも・・・。
 「この先も今のように働き続けられるかしら」
 「結婚したらどうしよう」
 「子どもが産まれたらどうしよう」
 もちろん、不安や悩みの内容は人によって異なりますが、「先の見えないボンヤリとした不安」は多くの女性が抱いています。そして、なんとなく“もやもや”していたりします。

 そうした女性のみなさんに向けて、日本マンパワーで女性支援に取り組む小出真由美さんがお話ししてくれました。「なりたい自分」になるために、ぜひご一読ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 人材開発企画部 研究開発グループ 専門課長
 小出 真由美 さん

女性がライフイベントをポジティブに捉え、自分の軸を持つことで、働くうえでのキャリアをどう描くかなどをテーマにした研修をチームで開発。組織内のキャリア、メンタルヘルス、ワーク・ライフ・バランス施策のコンサルティングや、各種セミナー講師も行っている。
<保有資格>
キャリア・デベロップメント・アドバイザー(CDA)、キャリア・コンサルティング技能士2級、産業カウンセラー、メンタルヘルス・マネジメント検定I種マスターコース、ワーク・ライフ・バランスコンサルタント


女性によくある「将来への漠然とした不安」

 私は、企業や行政などにむけてキャリアに関する研修やセミナーをすることがあります。女性の働き方や生き方をテーマに女性から話をうかがうと、多くの方が将来に対して何らかの不安を抱いていることがわかります。漠然とした不安があり、“もやもや”しているようなのです。
 「この先も今のように働き続けられるかしら」
 「結婚したらどうしよう」
 「子どもが産まれたらどうしよう」

 そんな風に“もやもや”している時、組織から少し責任ある仕事や立場を望まれると、 “もやもや”はますます大きくなってしまいがちです。結局、一歩も前に進めず、新しいチャレンジへの道を断ってしまうことも少なくないようです。


不安を漠然としたまま放っておかない

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 でも、ちょっと考えてみてください。
 現実問題として、“もやもや”の原因となっている不安は、いつやって来るのでしょうか? もしかすると、やって来ない可能性もあるのではないでしょうか? やって来るか来ないかわからないことに対して、自ら不安を先取りして“もやもや”を大きくしているのではないでしょうか?
 もちろん、将来あり得ることを想像すること自体はけっして悪いことではありません。むしろ、真面目な性格の人ほど将来のことを案じるのだろうと思います。ただ、それによってせっかくのチャンスを逃してしまうことになったら・・・それはとてももったいないことだと思います。

 大切なことは、漠然とした不安を、漠然としたままにして放っておかないことです。放っておくと、いつまでも経っても不安が消えないからです。
 私が研修やセミナーでみなさんにお勧めしているのは、分解して考えてみることです。自分はいったい何に不安を抱いているのか。仕事内容のことなのか、勤務時間のことなのか、職場のことなのか、恋愛のことなのか、結婚のことなのか、出産のことなのか、などなど。できるだけ具体的になるように自問しながら、さらに落とし込んでいくと、不安の内容を整理することができます。


分解思考で「なりたい自分」に近づく

 「自信がない」「私なんて大したことない」「この先、どうなるんだろう」「今の状況は嫌」「自分らしく働きたい」「幸せになりたい」などの思いも同様に、漠然とした“もやもや”です。ですから、これらも具体的に細かく分解してみましょう。
 ・自信がない → 自分は何に自信がないのか?
 ・私なんて大したことない → 自分にはどのような経験やスキルがあるのか?
 ・この先、どうなるんだろう → 自分は何に不安を抱いているのか?
 ・今の状況は嫌 → 自分は何を嫌だと思っているのか?
 ・自分らしく働きたい → 自分にとって「自分らしく」とはどのような状態か?
 ・幸せになりたい → 自分にとってどんなことが幸せなのか?

 こうして「分解思考」で考えていくと、いろいろなことが見えてくるはずです。そうすると、自分の望む状態、いわゆる「なりたい自分」になるためには、今何をすればいいかという次のステップも見えてくると思います。
 漠然としか見えていないことを怖れて何もしないより、“もやもや”の中身をきちんと見据えたうえで、今できることに集中して充実した日々を送るほうが、自分が磨かれていき、「なりたい自分」に近づいていくのではないでしょうか。


                                           女性が「なりたい自分」になれる働き方

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 実は、そうした観点から女性の働き方を応援する本を、つい先日まとめました。『なりたい自分になれる働き方—「分解思考」で自信がつく』(扶桑社、2017年4月7日発売)という書籍です。
 この本の制作にあたっては出版社サイドの女性スタッフ2人と進めたのですが、お1人にはお子さん2人がいらっしゃって、もう1人は独身というバックボーンの中、2人とも本書のテーマである“女性のもやもや”の話には共感いただき、納得されたり、深く考えたりしながら、いろいろな視点での“もやもや”の話をしました。きっと、そういう意味でもこの本の内容が悩める女性にフィットしていると思います。
 もっとも、私自身も、もともとはただの専業主婦でした。たくさん“もやもや”したし、悩んだり、迷ったりしながら、キャリアの考え方に出会い、少しだけ自分に自信が持てたり、こうなりたい自分が見えてきたりして、今があります。
 ですから、“もやもや”している女性、自信のない女性、「私なんかどうせ大したことない」と思っている女性の気持ちはとてもよくわかります。でも、どんな人にも、何歳になっても、人には無限の可能性があると思います。もしそれが開花していなかったとしたら、もしかすると無限の可能性を自分自身で抑えてしまっているのかもしれません。


自信がつく、読むキャリアカウンセリング

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 ちなみに、書籍『なりたい自分になれる働き方—「分解思考」で自信がつく』は、「今すぐこれをやりなさい」「今すぐこれを止めなさい」などと明確な答えを示す内容ではありません。なぜなら、「なりたい自分」はみなさんご自身の中にあるものだからです。それを私が決めることはできません。その意味では、「答えによる指示」を期待する読者には物足りないと感じるかもしれません。
 でも本書で目指したのは、「自分で働き方や生き方を見つめ直し、なりたい自分を探したり、また目指せるように自信をつける」ことです。そのため、キャリア開発の考え方に基づいて全体を構成し、本書を読み進めることで自分自身の内側の想いに向き合える、いわば読むキャリアカウンセリングと言えるかもしれません。
 将来や自分にもやもやしている女性の方は、ぜひ手に取っていただけると幸いです。

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『なりたい自分になれる働き方 「分解思考」で自信がつく』扶桑社、1,512円(税込)
——「いまいる場所」から「なりたい自分」になるための5つのステップ!
  第1章 いまの悩みを分解しよう
  第2章 自分を好きになろう
  第3章 あなたの環境を変えるのはあなた
  第4章 なりたい自分になろう
  第5章 明日を変えるプランとアクション

★Amazonでお買い求めいただけます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4594076769

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