ちょっと一息

CDAの資格活用vol.7

学生が自ら気づき行動するために、大学教員としてサポート

[2011/07/29]


CDA1 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)は、キャリアカウンセラーの実務家向け資格です。資格を取得すれば、キャリア形成を推進するエキスパートとしての理論とスキルを有することを認められます。
 活躍の場は、企業の人事・労務・教育部門、教育機関の進路指導部門、公共の職業相談機関、人材ビジネス業界、独立コンサルタント会社などに広がっています。また、職務への活用方法においても、必ずしもキャリアカウンセリングに限らず、個々の状況に応じてさまざまな形で活かすことが可能です。
 成城大学の特別任用准教授・勝又あずささんは、資格取得当初、社内カウンセラーとしてキャリア支援に携わり、その後、社員教育担当や独立コンサルタントとして活躍。今では大学で教鞭をとっています。
 CDA資格を活用する可能性のひとつとして、みなさんの今後のご参考にしてください。


●今回お話をうかがったのは・・・
 成城大学
 全学共通教育科目 キャリアデザイン科目担当
 特別任用准教授
 勝又あずさ さん

1986年、ソニー株式会社にエンジニアとして入社。広報PR部門、ゲーム・インターネットビジネスのマーケティング・プロモーション部門等を経て、人事部門へ配属。それを機にCDAの資格を取得し、キャリア支援や社員教育の担当としてスキルを発揮。2010年に退職後、株式会社勝又あずさ事務所を設立し、大学・企業を中心に幼児からシニアまでを対象としたキャリア教育に携わる。その後、成城大学の専任教員としてキャリアデザイン科目を担当。「成城大学 就業力育成・認定プログラム」のチームスタッフとしても活躍している。


学生が自ら気づき、考え、行動する力を養う

 現在私は、教員として成城大学で学生のキャリア形成をサポートしています。担当しているのは、全学部に共通したキャリアデザイン科目です。今年度は、履修単位となる授業5科目、履修単位とならない講座5講座を担当しています。
 このうち授業科目は、文部科学省の「平成22年度 大学生の就業力育成支援事業」に採択された「成城大学 就業力育成・認定プログラム」に組み込まれていて、学生が自ら気づき、考え、行動する力を養うことを重視しています。さまざまな角度から自分を見つめ直し、周囲にも働きかけることができ、能動的思考や主体的行動力を持った人材を、4年間のプログラムで育てることを目的としています。


  【勝又あずささんの担当する授業・講座例】
   ・キャリア形成論Ⅰ
   ・キャリア形成論Ⅱ
   ・キャリア形成概論Ⅰ
   ・スタートプログラムⅠ(街づくり)
   ・スタートプログラムⅡ(企業提案)
   ・キャリアモデルケーススタディ
   ・職業選択
   ・ファシリテーション


ワーク中心の授業で成長する学生

 たとえば、キャリア形成論Ⅰという科目は、1年次の学生を対象にキャリアを考えるスタート科目と位置付けています。
 授業はワーク中心で、内容によって個人ワーク、ペアワーク、グループワークなどに取り組んでもらいます。ライフラインチャート(自分史)を描いてもらったり、ドリームリストを作ってもらったり、キャリアビジョンを描いてもらったり。日本マンパワーの『キャリアカウンセラー養成講座』で学んだことや前職での経験CDA2などを最大限に活かしています。

 授業をして最も驚いたのは、想像以上に学生がきちんとできることです。これまでの自分や今の自分、社会における自分、取り巻く社会の現状を元に、将来を描き、その夢の実現のために明日から何をすべきかの行動計画を立てて、コミットメントをする。そうした一連のワークに、学生は主体的に取り組めるのです。
 また、授業では「毎回異なる人の隣に座り、ペアワークをする」というルールを設けていますが、「お隣に座っていいですか?」「よろしかったらお隣どうですか?」など、自主的に声をかけ合っている光景を目にします。そして、初めて会った人と意見を共有し、自ら気づき、意味づけし、次につなげていく。そんなこともできています。吸収力や柔軟性の点では、社会人よりも優れているかもしれません。


みなさんに育てられた恩返しを学生に

 授業や講座を通して、学生の気づきを身近に感じることができると、涙が出るほどうれしくなります。「こうしたリアクションがあると、この仕事は止められないよね」とおっしゃる先生もいます。まさにその通りです。

 こうした仕事に携わることができているのも、CDAの資格を取得できたからです。CDAの資格を取って本当に良かったと思います。
 これまで私は、ソニーをはじめ、さまざまな人に育てていただきました。これからはその恩返しとして学生に貢献したいと思っています。
CDA3 そのため、授業のカリキュラムを作成したり、アセスメント(ツール)を開発したり、成績評価をしたり、学会発表の準備をしたり、論文を作成したりなど、やるべきことはたくさんありますが、非常に有意義な毎日を過ごしています。学生たちから教えられることも多々あります。
 個々の学生たちには、これからさまざまな問題が生じ、自分の思うように進まないこともあるかと思いますが、それを解決しながら何かを得て、意味づけ、遠回りしながらも自分が思い描く方向へ進んでいく——そうした力をつけられるような場を提供し、学生が輝くための動機づけ作りをするため、私のリソースを最大限に活用するとともに、常に研鑽し続けていくつもりです。

 

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