ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方vol.29

自分のやりたい仕事、わからない時はどうする?

[2010/12/22]

ハッピーキャリア1101_1すべての会社に採用試験がなく、誰でも自由に働きたい会社に入社できるとしたら、みなさんはどうしますか?
 他社に目もくれず、今の会社でがんばりますか?
 転職して新しい会社で働きますか?
 「今の仕事は自分に合わない」と感じている人は、転職の道を選ぶかもしれませんね。でも、もし転職するとしたら、どの会社のどの職種を希望しますか?
 意外に難しい質問ですよね。
 実は、キャリアカウンセリングの現場では、「自分のやりたい仕事がわからない」という相談が非常に多いそうです。キャリアカウンセラーとして活躍する金城亜紀さんも、同様の相談を多く受けたとのことです。
 今月は、「やりたい仕事探し」をテーマに、金城さんのお話をご紹介します。


●今回お話を聞いたのは・・・
 CDA
 産業カウンセラー
 金城 亜紀 さん

ハッピーキャリア1101_2フリーターおよび一般事務を経た後、再就職支援会社に転職。同社で経験したファシリテーターやセミナー講師の仕事をきっかけに、CDAと産業カウンセラーの資格を取得し、フリーランスのキャリアカウンセラーとして独立。厚生労働省委託事業の「働く若者ネット相談」「キャリア・コンサルティングによるメール相談(通称:キャリメール)」のカウンセラー等を得て、現在、大学生向け就職活動支援など各方面で活躍している。


求人情報を閲覧してみる

 「今の仕事は自分に合わないようです。転職を考えています」という相談者の発言が、キャリアカウンセリングの中でよく聞かれます。ただ一方で、そうした相談者の中には、「自分のやりたい仕事がわからない」という状態の人が少なくありません。
 自分のやりたい仕事がわからなければ、膨大な求人情報の中から転職先候補を選ぶことは困難になります。求人情報サイトで求人情報を検索しようと思っても、やりたい仕事がわかりませんから、職種や業種を選択することができません。実際、私が相談者と一緒に求人情報を閲覧しようとした時、職種を選べずに困っていた相談者は何人もいました。
ハッピーキャリア1101_3 そんな時、私は「職種をしぼらなくてもいいから、まずは希望勤務地や希望給与など最低限の条件付けをして閲覧してみる」ことをお勧めしています。勤務地も給与も、自分の理想を条件として構いません。「高い給与を希望すると、求人している会社が少ないのでは」などと考え、最初から自粛する必要はないのです。まずは理想の条件で探してみてください。
 もし、理想の条件で働きたい会社が見つからなかったら、その時点で「自分は何を妥協できるのか」と、妥協点を見い出せばいいのです。とにかく、興味が持てる仕事を見つけることに専念しましょう。


少しでも気になる仕事をチェック

 たくさんの求人情報を閲覧していると、きっと、気になる求人情報に目が留まります。そうした小さな感情・思考を大切にすることが、やりたい仕事探しにつながります。
 たとえばハローワークインターネットサービスの求人情報検索では、求人情報一覧ページに職種や就業時間、産業(業種)などを表形式で閲覧することができます。希望する労働条件を入力して検索することもできますので、自分の条件に該当する仕事の一覧ページを眺めて、気になる仕事をチェックしてみてください。「あれっ?」と疑問に思った仕事もチェックしておきましょう。少しでも感情や思考にひっかかった求人情報を、いくつもメモしておくのです。
 そして、「なぜ自分はこの仕事をチェックしたのか」を書き出してみると、いくつかの共通点が見い出すことができます。その共通点が、自分のやりたい仕事のヒントになります。


いろいろなことに興味を持ちましょう

ハッピーキャリア1101_4 また、日頃から情報に対するアンテナを張っておくことも大切です。たとえば街を歩いている時、興味がわくものを探してみてください。洋服でも自動車でも飲食店でも草花でも、何でも構いません。いろいろなことに興味を持って、情報を収集しましょう。その姿勢や行動が、自分の特性を見つけることにつながります。
 自己分析をしたり、適職診断テストを受けたりすることも、やりたい仕事を見つける助けになります。自己分析をする場合は、新卒学生向けの自己分析シートを活用しても良いでしょう。インターネットで調べれば無料でさまざまなシートを入手できますので、一度取り組んでみてはいかがでしょうか。
 一方、適職診断テストを受ける場合は、診断結果だけにこだわらないようにしてください。診断結果に出てきた職業が、必ずしも「正解」だとは言えないからです。診断結果の職業にとらわれるのではなく、それらの職業に共通する特性は何かを考えてみましょう。

 さて、このように「自分のやりたい仕事」を探していると、「なぜ今の仕事が自分に合わないと思うか?」に対する答えが見つかるケースがあります。自分のキャリア形成の方向性が見えてくることもあります。「今の仕事は自分に合わない」と感じたら、「自分が興味の持てる仕事」や「合うと思う条件や環境、働き方」について再確認してみてはいかがでしょうか。

  • 講座コンシェルジュ

    おすすめの講座・資格をご紹介

  • 講座を選ぶ

    キャリア形成にお役立てください

  • キャリアを考える

    キャリアビジョンを創る