本試験までの1ヶ月間の学習法ヒント
[2014/08/28]
仕事をはじめとするキャリアの悩みや問題を抱える人に向き合い、その人にとって望ましい職業選択やキャリア開発を支援する専門家、キャリアカウンセラー(CDA)。第45回CDA資格認定試験の1次試験は10月5日(日)、約1ヵ月後に迫ってきました。出願されたみなさん、どのくらい学習は進んでいますか?
もしかすると、焦りを感じている人がいるかもしれませんね。
でも、まだ30日もの時間が残されています。しっかり学習すれば十分に得点を上げることは可能です。
本記事では、前回6月の1次試験に合格されたお二人に「直前学習の体験」をうかがいしました。学習スタイルは人によってさまざまで、お二人の学習法が必ずしも“正解”ではありませんが、きっと参考になる部分も多いと思います。ぜひご覧ください。
第44回CDA資格認定試験
1次試験合格
土井 さん(20歳代・女性)
1次試験日の数週間前までの学習法
——お二人とも1次試験合格おめでとうございます。今、CDA試験を控えがんばっている人のために、お二人の体験をぜひ参考にさせてください。まず、1次試験日の5〜6週間前までの学習の様子をお聞かせいただけますか。
芝田:私は、どのように試験勉強をすればいいのかわからなかったので、受験対策オプションの1次試験対策セミナーを受講しました。最初に、そのセミナーに含まれているWeb版映像スクールを自宅で視聴して、そこで教えてくれる「テキストの重要箇所」にマーカーを引いていきました。その後は、重要キーワードの暗記とWeb版答案練習コース(以下「Web答練」)での問題演習が中心となりました。また、パソコンでテキストの要点をEvernoteに入力し、通勤途中や昼休みにスマホで見て暗記しました。
土井:私は通学コースの修了が遅く、試験勉強を始めたのが遅れました。その上、土日の出張が多く、学習時間を確保するのがたいへんな状況でした。通信教育テキストの読み込みが十分にできていない状態でも、Web答練を始めました。できるだけ時間をみつけてWeb答練に取り組み、それに加えて、夜は毎日、テキストを1時間読みました。
(写真1)
芝田さんのEvernote画面例。「通勤中やお昼休みなどのすきま時間も使って一生懸命に覚えていました」(芝田さん)
——1次試験日の5〜6週間前はどのような状況でしたか?
芝田:Web答練の正答率がある程度上がっていたので、自分ではかなり知識が定着してきていると思っていました。でも、1次試験対策セミナーの通学初日(試験6週間前)に、そうとも言えないことに気づかされました。セミナーの演習問題を解いた時、思っていた以上に正答率が低かったからです。それまでの学習では、覚えるべきことを正確には覚えていなかったことが原因です。選択問題はひっかけ問題で何問も間違えました。記述式では文字を手書きすることが減ったせいか、漢字を書けなくなっていることを痛感し、論述問題にはまだまだ対応できていない状態でした。
土井:試験5〜6週間前というと、私も勉強方法を演習問題中心に切り替えた時期ですね。それまでは、手書きでノートにテキストの要点をまとめていたのですが、試験日までにテキスト6冊分をまとめるのは難しいと思い、ノート作りをちょうどあきらめた時期です。時間に余裕のある人は、手書きでノートにテキストの要点をまとめることは、テキストの内容が整理・体得できて有効だと思います。しかし、私の場合はもう試験日まで時間の余裕がありませんでした。そこで、その後はサブテキストとWeb答練の問題演習に取り組むことを学習の中心にしました。でも、当時はまだ、テキストの重要キーワードすら思い出せない状態で、そんな自分にショックを受けつつも、毎日ひたすら問題を解き、正解できなかったところを一生懸命頭に入れていました。
試験直前1ヵ月間の学習と論述対策
——そのような状況から、1ヵ月あまりの期間でどのような直前学習に取り組まれたのでしょうか?
芝田:基本的には、1次試験対策セミナーで先生から指導されたことを忠実に守りました。具体的には、選択問題と記述問題を繰り返し解くという、アウトプット学習(演習問題を解く学習スタイルのこと)が中心です。特に4肢択一で適切なものを選ぶという選択問題では、正解することだけを目標にせず、4つの選択肢すべてについて「どこの文言を変えると適切な内容になるか」まで理解することを心がけました。そして、理解の不足している内容について、テキストで確認と復習をしました。選択肢は4つありますので、たとえば250問の問題でも1000個の内容理解につなげることができます。この学習法は非常に役立ったので、みなさんにもぜひお勧めします。
土井:確かにそうですね。私もお勧めします。私は、試験の1ヵ月前でもまだキーワードを暗記している状態でした。なので、芝田さんのような4肢択一問題の活用までには至りませんでした。でも、私が利用したサブテキストやWeb答練、模擬試験の過去問題にも4肢択一問題はあるので、今このような試験対策講座を利用されている方には、ぜひ4肢択一問題をフル活用してほしいと思います。
——論述対策はどのようにされたのでしょうか?
土井:サブテキストやWeb答練の解答例を丸写しすることから始めました。と言いますか、最初は丸写しすることしかできませんでした。たとえキーワードを覚えて選択問題や記述式問題がある程度正解できるようになったとしても、論述問題は、キーワードの内容まで説明できるレベルにならないと解けません。私がそこに気づいたのは試験日の2週間前、通学クラスの仲間が自作の演習問題を持ち寄って、勉強会を行った時でした。
芝田:私は土井さんと同じことを1次試験対策セミナーで痛感しました。選択問題や記述式問題はキーワードとなる名詞を暗記すれば解けるようになると思いますが、論述問題は動詞を含めた脈絡を理解していないと対応が難しいと気づきました。とはいえ、文章すべてを覚えるのは容易ではありません。ですから私は、問題演習の解答例を箇条書きに分解した上で、それらを頭に入れるようにしました。箇条書きにした内容は昼休みなどにスマホを使って覚え、夜帰宅してから文章にしました。文章にしてみると、正確に書けない部分が出てきますので、その部分を赤字で訂正して、もう一度頭に入れるようにしました。
土井:私は、試験の2週間前で、頭ではなく体で覚えようと、丸写し→解いてみる→丸写し→解いてみるという作業を繰り返しました。それを続けて本番前にはある程度の実力が養われたように感じます。
芝田:また、求められる解答を書くことはもちろん重要ですが、それと同時に、時間を意識することも大切だと思います。私の場合は400字を30分で書けることを目標に練習しました。それができるようになれば、本試験で解答を見直す時間の余裕も作れると思います。
試験の1週間前に何をやるか決めよう
——お二人は1日に何時間くらい学習されていたのですか?
土井:試験の2週間前からは平日でも5〜6時間は学習しました。朝早めに出社して会社で1〜2時間、通勤途中2時間、自宅で2時間です。ただ、1日何時間というよりも、「今日はここまでする」という目安の方が大切です。その意味では、試験日までにどのように学習を進めるかスケジュールを計画しておくと安心だと思います。
芝田:そうですね。私は平日1〜2時間、休日8時間のペースを続けていましたが、時間よりもノルマを決めました。たとえば「平日は選択問題20問とテキスト確認」などというようにです。
土井:そうですね、「今日はここまでやろう、それが終わったら寝よう」とメリハリをつけないとキリがなくなりますね。持続的なヤル気とそのための適度な休息は必要だと思います。
——ほかに、受験生の方に向けてアドバイスやメッセージはありますか?
土井:私の通学したクラスでは、メーリングリストを使って毎日問題を出してくれる人が何人かいて、日ごとにキーワードが定着してきました。また、勉強会を行ったのも本当に役に立ちました。みなさんが集まるのは調整が難しい面もありますが、何らかの形で仲間と一緒に実力を高め合っていくことは、モチベーションの継続や新たな気づきにもつながったと思います。
芝田:誰かと一緒に勉強するのは刺激し合うことになっていいですね。私も同様のことをしていました。それから、試験直前にはアウトプット学習を心がけてはどうでしょうか。聞いた話では、インプットとアウトプットは脳科学的に異なる機能のようです。本番で問題を解くことを考えると、アウトプットの練習を重ねておくとよいと思います。また、試験1週間前に何をするか決めておくといいと思います。私は以前に作ったエクセルのまとめ資料とテキストに目を通し、知識のおさらいをしました。特にテキストは重要ですので、最後の最後にもう一度目を通すこともいいと思います。
土井:私の場合、1週間前でも論述対策のために書いて覚えるという学習を続けながら、時々Web答練を解いていました。試験直前は不安も多々ありましたが、それでも最後まで、できることを続けました。
芝田:CDAの1次試験は合格率が約50%です。テキストにも記載されている正規分布で考えると、最も人数が多いところで合否が分かれるということです。つまり、合否が分かれる得点付近では、1点の違いで多くの人が合格と不合格に分かれてしまうのです。ですから、みなさんには、最後まであきらめないで、あと1点を上乗せする努力をぜひ続けていただきたいなと思います。
(写真2)
芝田さんは、パソコンに入力したテキストを使って、エクセルでいろいろなまとめ資料も作成したそうです。
(写真3)
土井さんが試験会場に持参した学習ツールは4枚のメモ。偶然その中から、記述1問・論述1問が出題されたとのことです。最後まであきらめない気持ちが合格に結びつくこともあります。
<CDA事務局より>
自分に合った学習スタイルは人によってさまざまです。ですから、基本的にはご自身の学習スタイルを貫かれることだと思います。今回、話をお聞かせいただいたお二人の体験も参考に、自分に合った学習法を上手に取り入れて、これからの学習を進めてください。まだまだ30日もの時間が使えます。上手に学習時間を確保して、試験に向けてがんばってください。今、学んでいることは、クライエントさんを前にしたときにも、必ず活かせる知識です。事務局一同、みなさんを応援しています!