財務・会計の全体構造を基礎から学べるオススメ講座
[2015/04/27]
財務・会計、決算書、マーケティング、経営実務、起業などさまざまな切り口で、ビジネスの基本や仕組みについて解説した入門書はたくさんあります。それらの書籍にはそれぞれの特徴があり、難易度も異なります。また一方で、「読みたい」と思う人にもそれぞれの目的があり、保有している知識や実務経験も異なります。
その結果、どのようなことが生じるでしょうか?
個人的な体験で言えば、自分が求めている情報を得るために、何冊も似たような本を買い、何冊も読み始め、何回も途中で読むのを止めてしまう。その理由はさまざまです。難しすぎる、簡単すぎる、内容が特化されすぎている、自分の境遇とはかけ離れた事例が多い等々。もちろん、自分の選択ミスに原因があるのですが・・。
その点で、日本マンパワーの通信講座『よくわかる利益の仕組み講座』のテキストを初めて読んだ時、「これは、市販されている書籍とはかなり違うな」という印象を受けました。そして、「もっと若い頃に読んでおけば良かった」と思いました。
果たしてどのような講座なのか? その特徴についてご紹介いたします。新入社員の人から財務・会計を学びたい人、管理職の人、起業を考えている人まで、多くの人にお薦めしたい講座です。
わかりやすい事例で基礎から順を追って解説
通信講座『よくわかる利益の仕組み講座』のテキストの特徴は大きく3つあります。
まず、非常に読みやすくて、わかりやすいことです。
たとえば、テキストの冒頭で、友人と2人でカバン店を開業しようとする鈴木さんの話が出てきます。鈴木さんたちは考えました。
「原価は1個あたり4000円もみておけば十分だけど、いくらで売れるかな」
「1個10000円で売れるよ」
「1個につき6000円も利益が出るなら、なんとかなりそうだね」
意気揚々と開業した2人。カバンづくりのセンスがいいため、最初から面白いように注文が入りましたが・・1カ月後には資金が底をつきそうになります。そして、「なぜ赤字になったんだろう?」と慌てて話し合い始めます・・。
鈴木さんたちがこうした状況になった原因は、利益の考え方、損益と収支の違い、原価以外のコストなどについて何も知識がなかったからです。
このように、テキストではわかりやすい事例を挙げた上で、よくありがちな考え違いを指摘しつつ、利益の仕組みについて基礎から順を追って解説されていきます。ポイントとなる部分ではイラストや図表を使って視覚的にも理解を助けてくれます。
全体像をつかめ、あらゆる仕事の指針となる
2つめの特徴は、さまざまな角度から企業活動について解説されているため、全体像をつかみやすいということです。講座の名称は『よくわかる利益の仕組み講座』ですが、お金の流れだけをテーマにしているわけではないのです。
もちろん、利益が出る仕組みや決算書の見方、売上と経費との関係、利益率、損益分岐点、仕入コスト、事務・管理コストなど、財務・会計に関連する内容については詳しく解説されています。ただ、それに加えて、商品・製品の特性やライフサイクル、売価の決め方、時間の使い方、売り方、適正在庫、販売活動、物流など、幅広い視野で利益の仕組みを捉えています。
しかも、全体を通して「じゃあ、私たちは何をどのように考えるべきなのか」という視点が重視されています。ですから、イメージとしては
会社を良くするために経営者の視点で
経営コンサルタントの初学者が学ぶような基本的事項を
日常業務の指針として活かせるように
つくられたテキストに仕上がっているように感じられます。
また、望ましい行動の方向性も示してくれますので、あらゆるビジネスシーンで応用することが可能です。もし自分が経営者であれば、社員全員に読んでほしいと思うようなテキストです。
資格取得の基礎固めとしても使える高度な内容
3つめの特徴は、かなり高度な内容にまで踏み込んでいる点です。これは、すでにご紹介した2つと矛盾するようですが、そうではありません。初歩的な知識から高度なものまで広範な内容についてどれもわかりやすく書かれていながらも、丁寧に詳しく解説されているということです。
テキストは3冊に分冊されていて、それぞれ容易な内容からスタートしていますが、次第に本格的な内容に変わっていくというイメージです。
これをどう捉えるかは人それぞれですが、専門的に学習したことのない人にとっては新しい発見があり、相当な知識が身につくことでしょう。ですから、これから中小企業診断士や財務・会計関係の資格を目指そうとする人にとっても、本格的な学習を始めるための第一歩として適した教材になるかと思います。
もちろん、管理職の方、中小企業の経営者や起業・自営を目指す方、中堅・若手社員の方などにも、ビジネスの基本的方向性や考え方の根拠を学べる講座としてお薦めです。
【講座のカリキュラム骨子】
1 利益とは何だろうか
第1章 会社の活動と利益の関係
第2章 会社はなぜ利益を重視するのか
第3章 会社の利益が計算される仕組み
第4章 利益をつかまえる数字の読み方・使い方
第5章 利益をより大きくするために
2 売り上げを伸ばそう
第1章 どれだけ売ればよいのか
第2章 あなたが頼りだ−−製品・商品−−
第3章 売価をあげて売り上げを伸ばそう
第4章 数量を増やして売り上げを伸ばそう
3 コストを抑えろ
第1章 ヒト・モノ・カネのコストを理解しよう
第2章 生産コストの考え方と着眼点
第3章 仕入コスト・適正在庫の考え方と着眼点
第4章 販売コストの考え方と着眼点
第5章 事務・管理コストの考え方と着眼点
第6章 図解「利益の仕組み講座」