−キャリアとは人生そのもの−
みなさんは、どのような人生を送りたいと考えていますか? 豊かで幸せな人生? 豊かさや幸せの中身は人によって違いますが、「いい人生を送りたい」という思いは、きっと誰しも同じだと思います。
「いい人生」を送るためにアメリカで提唱されたのが、「キャリア」という考え方です。キャリアという言葉の意味は、一般的に「経歴」「経験」「職業」などと訳されますが、この場合は少し異なります。
「仕事の経験と密接に関係した、生涯にわたる行動や態度の軌跡」という意味です。つまり、人生や生き方そのものだと言えるでしょう。
−ビジョンがなければゴールへ着かない−
では、「キャリアビジョン」とは何でしょうか? その名の通り、「キャリアの目標」という意味です。「仕事に関わる人生目標」とか「将来のゴール」と言い換えることもできます。
自分らしく生きるためには、このキャリアビジョンを考えることが非常に大切です。将来のゴールがはっきりしていると、そのために何をすればいいかもわかってくるからです。しかし現実的には、「自分が何をしたいかわからない」という人もたくさんいます。でも、将来のゴールがわからなければ、ゴールまでの道もわかりませんよね。
そこでみなさんに提案です。まず手始めに、10年後のキャリアビジョンを作ってみませんか? そうすれば、将来のゴールを見つけやすくなります。もちろん、ゴールへ到達するための道筋も見えてきます。
「たまたま入れた会社の、たまたま配属された部署」で働いていても、ゴールへ近づくとは限りませんよ。今の仕事をがんばることは非常に大切なことですが、もしかすると、転職したり部署異動した方がゴールに近づくかもしれません。
−本当の自分を知る方法−

キャリアビジョンの作り方は、そんなに難しくありません。「あなたが望むライフスタイル」と「あなたが考える職業観・仕事観」をはっきりさせるだけです。この2つは、「基本的価値観」と呼ばれていて、自分の根本的欲求を表してくれます。
まず、ライフスタイルから考えてみましょう。あなたは10年後、どのような生活を望みますか? たとえば、刺激に満ちた生活を送りたいのか、のんびりとした生活を送りたいのか、ぜいたくな生活を送りたいのか、などです。頭で考えるだけでなく、文字にして書いてみましょう。深く考える必要はありません。直感でOKです。いくつか挙げてみてください。いくつか挙がったら、それを3つに絞り込んで、もっと具体的にイメージします。たとえば次のような具合です。
「朝、小鳥のさえずりとともに起き、ペットの犬を散歩に連れていく。朝食をとったら畑仕事をし、新鮮な野菜を収穫。午後は本を読んだり昼寝をしたり。夕方から街に繰り出し、芸術家たちと食事をする」
ほとんど夢物語ですね。でも、それでいいのです。大切なのは、あなたが心から望むことを思い浮かべることです。
同じように、職業観・仕事観についても考えてみましょう。あなたは、どのような仕事を望みますか? 個性的な仕事をしたいですか? 社会的に評価される仕事をしたいですか? それとも、他人を援助する仕事をしたいですか? なんでも構いません。3つ思い浮かべたら、今度は「なぜその仕事をしたいのか」を考えてみてください。「なぜ」を繰り返せば繰り返すほど、自分の本質が明らかになってくるはずです。
−10年後、あなたの仕事は?−
これらの作業が終わったら、さっき自分が書いた、理想のライフスタイルと理想の職業観・仕事観を合体させます。さあ、10年後の理想像をイメージしてみましょう。あなたはどこでどのような職業に就き、どのような仕事に取り組んでいますか? そして、どのような暮らしを送っていますか? 頭に浮かんだそのイメージこそ、あなたの10年後のキャリアビジョンです。
「今の自分と照らし合わせたら、こんな10年後なんて無理だよ」という人がいるかもしれませんね。でも心配はいりません。誰だってそうです。むしろ、そのギャップを知るために、キャリアビジョンを作ったのです。ギャップを埋める方法は、別の機会に述べる予定です。
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キャリアビジョンを創る