ちょっと一息

「登録養成課程」で働きながら計画的に診断士にNEW

濃密で丁寧でハードだったからこそ実践力が身についた

[2023/09/22]


 経営コンサルタントの国家資格、中小企業診断士は、ビジネスパーソンに人気が高い半面、難関資格としても知られています。その資格取得に向けては、1次試験合格後に2つの方法があります。ひとつは、2次試験に挑戦し、合格した後に実務補習を受ける方法。もうひとつは、2次試験と実務補習が免除される「登録養成課程」を受講する方法です。

 なお、登録養成課程には複数の実施機関があり、それぞれ受講要件が異なります。たとえば、休職などをして平日昼間に通学する半年コースまたは1年コース。あるいは、働きながら平日夜間と土日昼間に通学する1年コースまたは2年コースなどがあります。日本マンパワーの場合、火曜・木曜の夜間と土曜日を主体とした1年コースです。

 今回ご紹介する濱島達史さんは、当初「働きながら1年間で中小企業診断士になれることに魅力を感じた」と言いますが、今振り返って最もポイントになったのは「人」だと言います。ご本人にくわしくお話をうかがいました。ぜひご一読いただき、今後のご参考にしてください。

 

●今回お話を聞いたのは・・・

 中小企業診断士(第16期登録養成課程修了)

 在京テレビ局 営業職

 濱島 達史 さん

 


●中小企業診断士をめざした三つの理由

 私は、1999年に在京テレビ局に就職し、系列局と連携する部署に3年間所属しました。その後、スポーツ番組の制作を担当し、2015年からはCMをセールスする営業職として働いています。中小企業診断士(以下「診断士」という)にチャレンジしようと思ったのは、営業職に異動して間もない頃です。その理由は三つあります。

 まず、営業の仕事を遂行するにあたって、体系立ったマーケティングの知識を身につけたかったことです。というのは、CMを提供してくださる取引先のご担当者様は皆さん、マーケティング的な目的をお持ちで、優れた知見を有しています。そうした方々にご満足いただくためには、私自身が知識を確立しておくべきだと考えたからです。

 二つ目は、制作担当時代にお世話になった制作会社の方々に恩返しをしたかったからです。テレビ番組の制作会社はいわゆる中小企業がほとんどで、長時間労働をはじめ、さまざまな経営課題を抱えています。でも、そうした制作会社があるからこそ、私たちテレビ局の事業は成り立っているのです。ですから、微力ながら「自分にできることをしたい」と思い、その一つの方法が経営コンサルタントでした。

 三つ目の理由は、複線型のキャリアパスを描いておきたかったことです。実は、私の親族に中小企業を経営している者がいて、将来的に私がその経営に携わる可能性がないとは言えません。ただ、今の私のキャリアでは経営ができるとは思えません。そのため、定年退職後も見据えて、複線型のキャリアパスをイメージできるように、手段の一つとして診断士の資格にチャレンジしてみようと考えました。

 

●働きながら1年間で取得できる

 ただ最初は、チャレンジしてみようかと考えていただけで、実際には何も勉強していませんでした。勉強を始めたのは2018年からです。でもそれは診断士の勉強ではなく、別の資格取得のためでした。まだ診断士を受験する実力レベルではなかったので、方向性が近い資格の勉強をすることで、知識を積み重ねておこうと考えたのです。「診断士受験にトライしよう」と決意したのは、2021年の年始です。

 その後は、通信教育を活用しながら本格的に一次試験の勉強をしました。試験まで9ヵ月弱しかありませんでしたが、何とか合格することができました。おそらく、別資格のために勉強した知識の積み重ねが功を奏したのだと思います。二次試験に向けては、一次試験受験直後から独学で一生懸命勉強しましたが、手応えのないまま不合格となりました。

 私は、不合格通知の評価を見ながら、「来年はどうしようか?」と考えました。働きながら二次試験の勉強を続けるのは難しそうだと感じたからです。そこで知ったのが、登録養成課程の存在です。

 ただ、登録養成課程は実施機関によって受講条件が異なります。私は働きながら資格取得することを前提にしていましたので、平日昼間に通学することは無理です。また、2年間も勉強するのは、精神的なスタミナに不安を感じました。そこで、平日夜間と土曜日を主体とする日本マンパワーの登録養成課程1本に照準を絞り、資料を取り寄せようと考えました。ところが、すでに1月に入っています。日本マンパワーの申し込み締切は1月末日。ギリギリのタイミングでしたが、申し込みを受け入れていただき、2022年3月から無事受講することとなりました。

 

●実践的かつ体系的に学べるカリキュラム

 同期のクラスメンバーは、私を含めて24です。第16期は30歳代前半から60歳代半ばまで、多種多様な職種の方がいました。このように立場も背景も異なるメンバーが集まると、さまざまな化学反応が生じます。年間カリキュラムの序盤は理論のインプットを目的とした講義中心ですが、毎回グループディスカッションがあります。全員が真剣に取り組みますので、個々のスキルやパーソナリティが次第に現れてくるからです。その化学反応は刺激になり、勉強へのモチベーションにもなりました。

 さらに中盤になると、実践力を身につける5回の診断実習が始まります。毎回異なるメンバー8人が1グループとなります。1回の実習につき約3週間。最初の2週間は現場に赴いて、経営者や従業員の方へのヒアリングや実地調査などをします。都度、グループメンバーとディスカッションし、リーダーが中心となってコンサルティングの大枠の方向性を決め、残りの1週間でプレゼンテーション用の診断報告書を作業分担して作成します。それに対する個人的負荷はかなり大きいのですが、「この1年間だけ」と考えてがんばりました。

 最も印象に残っているのは、3回目の実習でした。私がリーダーを務めた回です。その時は、アウトプットに向けての方向性をなかなか定められず、とても苦労しました。でも、だからこそ、最後の1週間はグループメンバーが一致団結して取り組むことができました。最終日の診断報告では、診断先の社長にもご満足いただき、プレゼンテーション後には握手までしていただけました。あの時は本当にうれしく、診断士の醍醐味を垣間見たように思います。

 これほど濃密で丁寧でハードな実習は、2次試験後の実務補習ではおそらく体験できないと思います。日本マンパワーの登録養成講座は、全体を通して実践的かつ体系的な学びができるカリキュラムになっていると思います。

 

●講師の先生の教え、スタッフの丁寧な対応

 今振り返ってつくづく思うのは、日本マンパワーの登録養成課程を受講して良かったとういうことです。そのポイントは大きく三つあります。

 第一に、講師の先生方の質の高さと幅広さです。理論インプットの際は、大学教授をはじめとする方々が、理路整然とロジックを解説してくださいました。また、実習前から実習中にかけては、実際に診断士として活躍されている先生方が、さまざまな視点から実践力を養ってくださいます。特に役立ったのは、自分が診断士になった時に、どのように考えてどのように行動するのかをイメージできるようになったことです。診断先への最終的なアウトプットに向けてスケジュールを逆算し、どのようなノウハウを活用するのか、そのエッセンスを教えてくれました。先生によって得意ジャンルが異なりますので、いろいろな先生からお話を聴けたことは、私にとってありがたい限りでした。「もし独立したらこのように収入を得ていくんだよ」「診断士同士はもちろん、他業界の方々との交流も大事だよ」など、将来につながる貴重なアドバイスもいただけました。

 第二のポイントは、事務局スタッフのみなさんがとても丁寧で、私たちに寄り添ってくれ、なおかつ的確に対応してくださったことです。締切日の直前に駆け込むように受講の申し込みをした際も非常に親切に対応してくださいましたし、授業で何か問題が生じると、それを放置することなくきちんと解決に導いてくれます。実際、私たちは真剣に勉強していますので、場合によっては議論が白熱することがあります。そうした際にも、スタッフのみなさんは事実関係を把握し、状況をフェアに判断して、より良い授業に向けて発展的に改善してくださいました。そのPDCAサイクルを回すような姿勢と行動に、私はとても共感しています。

 最後のポイントは、計画的に診断士を取得でき、実践力が身につくということです。ほかの実施機関でも同じかもしれませんが、私にとっては、働きながら1年間で取得して実力がつく日本マンパワーが最も合っていました。

 

●「プロボノの診断士」として制作会社を診断

 そうして、2023年5月に診断士として登録することができました。

 同期のメンバーとは、今でもLINEグループなどを通じて連絡を取り合い、情報交換などをしています。やはり、1年間、同じ志を抱いて学んだ同期には特別な想いがあります。私たちのクラスは独立開業志向の人が多かったため、仕事の相談や紹介などもしているようです。また、日本マンパワーには、登録養成課程のOBOGによる自主組織「修了生の会」があります。そうした縦のネットワークも魅力の一つではないでしょうか。

 私自身は副業が禁止されていますので、現在はボランティアで制作会社の診断をしています。実習で鍛えられたおかげで、戸惑うことなくノウハウを活用することができていると思います。もともと懇意にしている会社ということもあり、社長にも非常に喜ばれています。

 今後は当分、「プロボノの診断士」として活動していくつもりです。フラボノとは、社会的・公共的な目的のために職業上のスキルや経験を生かす社会貢献活動のことです。それでさらに自分を磨き、営業の仕事や将来のキャリアにつながればと思います。

 この記事を読んでいるみなさんは、おそらく1次試験に合格された方々だと想像します。診断士を目指す目的や事情は人それぞれでしょう。私は運よく家族や職場の理解を得ることができましたが、必ずしもそうとは限りません。ただ、日本マンパワーの先生方と事務局スタッフの方々は本当に信頼できます。もし可能であれば、日本マンパワーの登録養成講座も視野に入れてはいかがでしょうか。

 


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