きれいな字を書くために、練習の楽しさとポイント
[2015/08/31]
手書き文字は不思議な力を持っているようです。なぜかわからないけれど、その人のイメージを変えてしまったってこと、ありませんか? たとえば、「あぁ、この人、意外に字がきれいなんだ。素敵!」とか、「もっと上手な字を書くかと思っていたけど、少しがっかり」なんて思ったことが。
「美文字」が流行語大賞にノミネートされたのは、2013年。その年は、「ペン字練習帳」が書店で爆発的にヒットしました。そして今も、書店には多くの類書が並んでいます。日本マンパワーの『あなたにも書けるきれいな文字!ペン字マスターコース<練習ペンつき>』も、非常に人気の高い通信講座です。
そこで、市販の「ペン字練習帳」を購入して独学で学んだ女性と、日本マンパワーの通信講座で学んだ女性の対談を企画しました。2人は異なる方法で学びながらも、楽しく美文字談義に花を咲かせてくれました。ぜひご参照ください。
●今回お話を聞いたのは・・・
株式会社日本マンパワー
事務センター
山田 真規子 さん
株式会社日本マンパワー
CDA通学部
野村 ゆりな さん
書き順が変わると字の形も変わる
——お二人が自分の手書き文字に興味を持ったのはいつ頃からでしょうか?
野村 私は小学校3年生か4年生の時ですね。男の子から「字が汚い」って言われたことがきっかけです。当時、「女子は字がきれい」だと勝手にイメージしていたので、男の子から指摘された時はものすごくショックでした。
山田 私は、「美文字」に関するテレビ番組を見てからです。そんな時に新卒で入社してきたのが野村さんです。私と同じ部署に配属されました。そこで驚いたのは、野村さんは毎日、始業前に字を書く練習をしていたのです。それを見て、私も文字を練習することへの興味が深まっていきました。
野村 小学校時代に受けたショックもあり、社会人になるにあたって、大学4年生の時から硬筆の練習を始めました。市販の練習帳を買って練習し始めたのですが、字を書いていると心が落ち着き、精神統一のような感じで心の整理がつくので、習慣になっていました。
山田 私たちは業務の中で、通信講座『あなたにも書けるきれいな文字!ペン字マスターコース<練習ペンつき>』の添削問題や質問票について、受講者と講師との橋渡し役もしています。でも、私は丸くて小さい字しか書けませんでした。「受講生や野村さんみたいに大人っぽい字が書きたいなあ」と思って、その講座を受講しました。
——『ペン字マスターコース』を受講されて、いかがでしたか?
山田 最初は「こんなにたくさん書くのか」と思いました(笑)。1日に1ページか2ページだけなんですが。でも、野村さんが言うように、字を書いていると雑念が吹っ飛んで集中できます。黙々と書いている時間が、とても充実した時間に感じられました。
野村 楽しいですよね、書いていると。
山田 それでも私は、少しさぼっていましたので、修了するまで半年かかりました。
野村 私はまだ受講したことはなくて独学なのですが、山田さんが受講されているのを見て、「書き順がわかるのがうらやましいなあ」と思いました。私は書き順を間違って覚えてしまった漢字が多かったのですが、市販の練習帳には書き順がほとんど掲載されていないんです。だから、練習する前に書き順を調べないといけないんですよね。その点、『ペン字マスターコース』のテキストには書き順が書かれているので、うらやましいなあと。
山田 それに『三体漢字表』という教材が付いていて、3000字近くの書き順が載っています。しかも、楷書、行書、草書の三字体も書いてあります。
野村 そう。私、あれがすごくうらやましいです。欲しい!
——書き順が変わると、字の形も変わりますか?
野村 もちろん変わると思います。
山田 たとえば「九」という字。縦画から書き始めるか、横画から書き始めるか。私も野村さんも横画から書き始めていたのですが、正解は縦画から書き始めます。そうしたらバランスよく書けるようになりました。
野村 書き順には意味があるんですよね。
山田 自分で書いてみて、それに初めて気づきました。「どうしてバランスよく書けないんだろう」という字が、書き順を正すことできれいになることは多々あります。
自分では気づけない癖を指摘してくれる
——受講してほかに変わったことはありますか?
山田 自分の名前が上手になった気がします。
野村 私もそう思います。
山田 自分の名前と住所は横書きも縦書きも添削問題にあるので、1字1字だけではなく、全体バランスも指導してもらえます。講師の先生の添削はていねいで、お手本を書いてもらえるのでとても参考になります。ちなみに、「山田」という字は意外に難しいんですよ。「山」という字は上に向かって開きます。「田」という字は下をすぼめて、右下は縦画を出すのがポイントです。
野村 似た字でも、「口」は横画が出るんです。
山田 そんな細かいことでも、テキストに書いてあるお手本をよく見るとわかってくるんです。そうした発見も楽しいですね。
——ペン字の練習って、基本はお手本の通りに書くことなんでしょうか?
山田 そうですね。第一画はどの位置から書き始めるか、どこが長くてどこが短いか、どこが広くてどこが狭いかなど、お手本をよく見て書くことです。
野村 お手本の字をただなぞるだけではなく、お手本を見ながら真っ白なスペースに書くことが効果的なようです。
山田 でも、お手本を見てもどうしても上手に書けない字もあります。たとえば私は「あ」という字が上手に書けませんでした。添削ではそれを講師の先生に見抜かれて、指導を受けました。「す」の最後の払いが長い、なんて指摘もされました。自分では気づけなかった癖を指摘してもらえることは、とても勉強になります。
字に関することは何でも質問票で
——硬筆を学習する方法はいろいろあるかと思いますが、『ペン字マスターコース』の特徴はどんなところにあるのでしょう?
野村 先ほど言った『三体漢字表』が付いているところですね。これはかなり貴重だと思います。独学でやるよりも、結果的にコストパフォーマンスがいいような気がします。
山田 添削問題での指導や、質問票への回答が懇切丁寧なところも特徴的です。
野村 私もそう思います。特に質問票への回答は丁寧ですね。字に関することなら何でもっていうくらい教えてくれます。
山田 たとえば、「私はしんにょうを書くのが苦手なのですが、どうバランスをとればいいでしょうか?」、「○と○の字が上手に書けません。コツを教えてください」、「どうすれば縦書きが上手になるのでしょうか?」、「家族の名前のお手本を書いてください」など。
野村 もちろん、質問票でできることとできないことはあるのですが、先生は本当に丁寧で親切な回答をしてくださいます。
——お二人はこれからも字の練習を続けるのでしょうか?
野村 はい、字を書くのは楽しいですから。それに、練習すればするほど文字への興味が出てきます。
山田 私の夢は、一筆箋にさらさらっときれいな字で書くことです。まだ勉強中ですが、いずれそんな風になりたいです。
野村 ちょっとした一言でも、手書きの手紙などをもらうとうれしいですよね。だから私も、手書きを大切にしたいと思います。
山田 入力した文字よりも手書き文字の方が気持ちが伝わるように思いますね。きれいな字を書くためには、いいお手本をよく見てたくさん書くのが一番です。これからも精進します。