ちょっと一息

筆ペンを使いこなして自分の書風を

コツを覚えて、書道の風合いを楽しもう!

[2008/04/28]

 先日、友人の結婚式に出席しました。とても素敵な式でしたが、ちょっと恥ずかしかったことがひとつ・・・。
 結婚式では、祝儀袋や芳名帳に名前を書きますよね。実は私、書道は中学生のときに学校で習ったきりで、毛筆に自信がないのです。祝儀袋は親に代筆をしてもらって難を逃れましたが、芳名帳は自分で書くしかありません。用意されていた筆ペンを手に、緊張しながらも丁寧に書いたつもりだったのですが、書き終えた自分の字を見てガッカリ。隣の人の達筆と比べて見劣りする自分の字に、恥ずかしい思いをしました。
 そこで今回は、日本マンパワーの筆ペン講座を指導している池田修子先生に、筆ペンで上手に書くコツをうかがいました。私と同じような経験のある人、ぜひ参考にしてください。


−筆ペンの持ち方で線が変わる−
 「筆ペンは書道の筆とは違い、穂先が常に揃うように作られています。ですから、書道に慣れ親しんでいない人でも扱いやすく、サインペンのような手軽さで書道の風合いを楽しめます。最近では職場や家庭で手軽に使われていますが、もし筆ペンがうまく使いこなせないと思っているなら、まず筆ペンの持ち方から見直してみてください。
 持ち方の基本は、ボールペンやサインペンと同じです。ただ、ペンの軸をできるだけ立てて持つようにしてください。そうすると、筆の持ち味を生かした、簡素ですっきりとした線が書けます。ペンの軸を斜めに傾けて書いてしまうと、せっかくの筆の穂先が活かされません。いかに軸を立てて持つかが穂先の味わいを活かす最大のポイントです」


−緩急・筆圧で味を出す−
 「表情のある美しい線を書くためには、文字を書く速度に変化をつけることが大切です。横画は早く、縦画と曲線はゆっくり書くように心掛けるとよいでしょう。これらをすべて早く書いてしまうと、線が単調になり、せっかくの筆の持ち味が失われてしまいます。
 また、筆にかける圧力(筆圧)によって線の強弱を表現できるのも、筆ペンの特徴です。ですから、ボールペンやサインペンで文字を書くときよりも、力の入れ具合を意識しましょう。

・直線の多いカタカナや楷書は、一画一画をしっかり書く気持ちで。文字の書き始め(起筆)は力強く。
・曲線の多いひらがなは、起筆と終筆を軽めに書く。
・横画よりも縦画を少し太く書く。

 これらを意識するだけで、筆ペンの特徴が生かされた抑揚のある線が書けます」


−祝儀袋や芳名帳に書くときは−
 「祝儀袋や芳名帳などに書くときは、第一に緊張しないことが大切です。緊張すると肩や腕に力が入ってしまい、思うように書けなくなってしまうからです。自信を持ってリラックスして筆ペンを持ちましょう。
 ただ、いきなり書き始めてはいけません。祝儀袋や芳名帳は全体のバランスが見た目を左右します。どこにどれくらいの大きさで文字を収めるか、全体の文字の配置を予めイメージしてから書き始めるようにしましょう。具体的なポイントは次の通りです。

【祝儀袋の場合】
 ①表書きは大きく、名前は少し小さめに書く。
 ②表書きと名前の中心ラインを揃えて、袋の左右の真ん中にまっすぐ書く。
 ③袋の上端と下端に余白を残す。

【芳名帳の場合】
 ①住所は少し小さめに、字間を詰めて書くと、まとまりよく見える。
 ②名前は住所よりも少し大きめに書くこと。

 これらを意識して丁寧にバランスよく書けは、上手に見えるはずです。
 なお、祝儀袋や芳名帳はにじみやすい紙が使われていることが多いので、筆圧をかけすぎたり、ゆっくり書きすぎると、文字がにじむことがあります。事前に書道用の半紙で練習しておくと、書く速度や筆圧の感覚がつかみやすく効果的です」


−苦手意識を克服するために−
 「筆ペンに慣れないうちは思うように書けず、難しく感じるかもしれません。そうした苦手意識を克服するためには、毎日筆ペンを持つことが一番です。筆ペンをいつも手の届くところに置いておき、『テレビを見ながら5分間』でもいいので、毎日、文字を意識して書く時間を作ってみましょう。
 気構える必要はありません。誰でも最初は初心者。車の運転と同じで、筆ペンも“慣れること”が大切です。毎日筆ペンを持っていれば、自然に慣れていくはずです。それが、“楽しい”“面白い”と感じるようになればしめたものです! よいお手本をよく見て正しく練習すれば、ますます上手になることでしょう」

 

 書道を習わなくても、筆ペンを使いこなすだけで、日常生活やビジネスシーンでは十分に役立ちます。日本マンパワーの筆ペン講座は、手軽に短時間で学べる講座です。興味のある方は下のアドレスをクリックして、講座内容をご参照ください。

  • 講座コンシェルジュ

    おすすめの講座・資格をご紹介

  • 講座を選ぶ

    キャリア形成にお役立てください

  • キャリアを考える

    キャリアビジョンを創る