ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方 vol.61

家庭環境や時間的制約を踏まえた「女性の働き方サポート」

[2013/09/27]

キャリア1 女性は、環境によって働き方に制約を受けやすい面があります。わかりやすい例では、結婚・出産・育児などによるライフステージの変化です。
 たとえば小さいお子さんのいる女性は、自分が「働きたい」と思っても、子どもの預け先に苦慮することが多々あります。また、預け先を確保できたとしても時間的制約を受けることも多いです。
 自分を取り巻く環境・事情は人によって異なりますし、ライフステージが変化すれば働き方に影響を及ぼします。ですから、就職・再就職の際の考慮事項や働き方の悩み、時間の使い方など、さまざまな面で問題が生じます。
 こうした問題にどのように対処すればいいのでしょうか? そのヒントは、埼玉県女性キャリアセンターの女性就業支援にうかがえます。同センターの取り組みがどのようなものか、ぜひご参照ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 埼玉県女性キャリアセンター 統括責任者
(2004年CDA取得)
 牧野 朋子 さん

 株式会社日本マンパワー
 埼玉県女性キャリアセンター キャリアカウンセラー
 (2007年CDA取得)
 上地 圭衣子 さん



環境を洗い出して整理することが大事


——埼玉県女性キャリアセンターは、就職先の紹介だけでなく、面談相談、電話相談、職場体験、職場見学、就職支援セミナー、出前セミナーなどさまざまなメニューを用意しています。女性が働くにあたっては、これらすべての支援が必要なのでしょうか?
牧野 いいえ。センターのサポートメニューが多岐にわたっているのは、なるべく多くの女性が「自分に合ったサポートを選べるように」と準備したものであり、1人の女性がすべてのサポートを受ける必要はありません。2〜3回の面談相談だけで課題が解決する方もいらっしゃれば、就職支援セミナーの参加をきっかけに、面談相談、職場体験などを利用される方もいらっしゃいます。

——相談される方とは、どのようなお話をなさるのでしょうか?キャリア2
牧野 女性の場合、ご家庭の事情によって働き方に制約を受けやすいという現実があります。特に、家庭をお持ちの方、お子さまのいらっしゃる方は、ご自分だけでなく、家族の生活も含めて働き方を考える必要があります。そのため、「どんな仕事をしたいか」「何をやりたいか」をうかがうのと同時に、現在の環境も整理します。
上地 ですから私たちカウンセラーは、まず、ご本人を取り巻く独自の事情をよく聴くようにしています。なかには、ご自身の事情と希望が矛盾していることもありますので、絡んだ糸をゆっくりと解きほどくように、ステップを踏んでキャリアカウンセリングを行っています。そのため、面談相談はマンツーマンの担当制にして、何度相談にいらっしゃっても、基本的には同じカウンセラーが対応するようにしています。
牧野 大切なことは、一人ひとりの女性が、自分や自分を取り巻く環境に合った仕事・職場を見つけ、長期的に将来を見据えた就業を実現することです。そのために、ご本人の事情をよく聴き、しっかりと確認したうえで、ご本人と一緒に「理想的な働き方」を探すお手伝いに力を入れています。


将来の働き方を考えるセミナーも開催

——そうした姿勢は、セミナーの内容にも反映されているのでしょうか?キャリア3
牧野 はい。埼玉県女性キャリアセンターではさまざまなセミナーを開催していますが、「いろいろな働き方を考えよう」「理想の働く自分を考えよう」など、長期的な視点・幅広い視野で働くことを考える内容のものも行っています。
 特に、県内各地の子育て支援センターや保育園などで行う出前セミナーでは、そうした就職より前の段階をテーマにしたセミナーを数多く開催しています。すぐに働きたいという意思がなくても、将来の暮らし方・働き方を前もって考えて準備しておくことが大切だと思います。
上地 子ども同伴でのセミナーも多く、気軽な雰囲気で参加できるのが特徴です。「同じような境遇の方がいて、今まで一人でモヤモヤしていたことを話せて良かった」と喜ばれる方もたくさんいます。出前セミナー終了後、同じ会場で実施する出前相談ではキャリアカウンセリングも受けられるので、本当に手厚い取り組みだと思います。
牧野 もちろん、応募書類の書き方面接準備など就職活動に役立つ実践的セミナーもあり、そちらもご好評をいただいています。


働いている女性を対象とした相談・セミナーも

——埼玉県女性キャリアセンターを利用して就職・再就職をなされた方は、就職後も相談できるのでしょうか?
上地 当センターを利用したことのない方を含め、埼玉県在住・在職の女性でしたら、働いている方からの相談も受け付けています
 たとえば、「職場の人間関係が難しい」「部下の指導がうまくいかない」「上司が提案を聞き入れてくれない」「転職するかどうか悩んでいる」という悩みを相談されるケースもあれば、「もっとスキルアップしたい」などさらなる飛躍を目指される方が助言を求められるケースもあります。
牧野 働く女性を対象としたセミナーも各種あります。時間を効率的に使うタイムマネジメント表現力をアップするコミュニケーションなどは、非常に人気があります。参加者同士が意気投合して、セミナーが終わっても話し込んでいることも少なくありません。利害関係のない人と同じような境遇を話し合えることも、利用者にとって魅力のひとつのようです。

——女性が抱えやすい事情や心境を踏まえた上で、セミナーやキャリキャリア4アカウンセリングを行っていることが、利用者からの支持につながっているのでしょうね。
牧野 働いている・いないにかかわらず、仕事に関連して何らかのモヤモヤを心に抱いている女性は多いと思います。その中には、言いたいことが言えない方もいらっしゃるでしょう。そんなモヤモヤを話してスッキリするために利用していただいても構わないのです。
 事情や悩み・不安は人それぞれですから、画一的な解決策はありません。だからこそ私たちは、どのような問題であっても、一人ひとりに合ったサポートを心掛け、ご利用者とキャリアカウンセラーが二人三脚で考えていくようにしています。それが、利用者の方にご好評をいただいている理由かもしれません。

埼玉県女性キャリアセンター
http://womancareer-saitama.jp/

 

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