ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方 Vol.7

メタファーを使えば、課題の解決策がよく見える

[2008/11/26]

 キャリアの将来イメージや方向性を思い描いた時、現実とのギャップに悩まされることはありませんか?
 「あんな風になりたいんだけど、今のままじゃあ・・・」
 理想的な自分に近づくためには、自分を取り巻く環境を分析した上で、課題を抽出し、乗り越えていくことが望まれます。でも、忙しい日常生活を送っていく中で、そうしたことをじっくりと考える時間はないかもしれませんね。課題はすぐに見つかると思いますが、それを整理したり解決したりすることは、なかなか難しいことですし・・・。
 そんな時、メタファーを使ってみると、解決策が見えてくることがあります。
 メタファーとは「比喩」という意味で、キャリアカウンセリングのワークにも応用されています。今月はそのうちのひとつ、「自分の現況を整理し、課題解決の糸口を見つける」メタファー・ワークをご紹介します。私も実際にやってみましたが、非常に面白く、思いもよらなかった解決案に感動しました。仲のいい友人や職場の同僚と一緒にやってみると、お互いの意外な一面も見えますよ。


−「今の状況の中にいる“私”」を例えてみる−
 物事があいまいで混乱している状態の時、メタファー(比喩)を使うと「状況を整理することができる」と言われます。
 私が取り組んだメタファー・ワークは、「今の状況の中にいる“私”を例えると」というテーマです。A4判の白い紙に、自分の現状や課題を自由に表現するのです。言葉でも絵でも構いませんが、絵の方がわかりやすいと思います。

 私が描いたのは、次の絵です。
 右上で立ち止まっている人が私。これまで何も考えずに道を歩いてきたのだけれど、分かれ道にぶつかって迷っている状態です。(「穴の中にいる自分」「草原で座っている自分」「ビーカーの中にいる自分」などを描く人もいます)

 ワークではペアになって、自分の状況をパートナーに説明します。私は次のように説明しました。

 「私が行きたいのは、左上の木に止まっている鳥のところです。この鳥は、私がめざすキャリアの理想像。明るい陽射しの中、優雅で快適な楽園に暮らしています。
 でも、分かれ道にぶつかっている私は、そこへ行く道がわかりません。それに、どの道を選んでも、デコボコしていたり、水たまりがあったり、落とし穴があったり、猛獣がいたりして、進むのが怖い気持ちです。
 一方で、今の場所は安全。ここにいれば怖い目には遭わないので、あえて進む必要はないのかもしれません。ただ、独りなのでちょっと寂しがっています。できれば、誰か一緒に歩いてくれる人と、鳥のところへ行ってみたい。
 現在の私は、そんな状況です」

 次に、「今の状況をよりよくするためには、どのような工夫ができるか」について考えます。

 「う〜ん、蝶に道を聞くか、一緒に歩いてくれる人を待っているか・・・。どれかの道を少し歩いてみて、様子をうかがってみるのもいいかと思います」

 私が思いついた工夫はこのくらいです。


−目からウロコが落ちた解決策−
 でも、一人で考えるより、ほかの人と一緒に考える方がアイディアは生まれやすくなります。私も2人で話し合ったら、いろんな工夫を思いつきました。話し合いのコツは、メタファー(この場合は絵)を現実に置き換えないで、メタファーの世界だけで考えることです。
 私が描いた絵について、ペアでの話し合いによって生まれた工夫は、次のようになります。

・地図を買いに行く。
・自転車に乗って探検してみる。
・猛獣と戦える武器を手に入れる。
・猛獣が実はやさしいかもしれないので、蝶に聞いてみる。
・「独りで歩く方が強い人になる」と考える。
・鳥のいる場所が本当に楽園か、蝶に聞いてみる。
・鳥に声をかけ、飛んできてもらって話を聞く。
・無理に進まず、道がわかるまで当分じっとしている。

 地図を買いに行くとか、武器を手に入れるとか、最初は考えもつきませんでした。その工夫をパートナーから聞いた時、私は目からウロコが落ちたような気分になりました。そして、この工夫を現状に置き換えた時、なんだか私の課題解決法が見えてきたような気がしました
 みなさんも、ぜひメタファー・ワークに取り組んでみてはいかがでしょうか? 友人と気軽にやってみると、意外に盛り上がりますよ。

 

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