ちょっと一息

キャリアの探し方・作り方 vol.4

人の行動を左右する「セルフ・エフィカシー」

[2007/02/28]

−あなたなら、できそうですか?−
 「新しい商品の販売促進計画を立ててみないかい?」
 ある日、上司からこんな話を持ちかけられたと想像してみてください。
 さて、あなたの心に浮かんだ気持ちは、次のどれに近いでしょうか?

 【A】「いいですよ!」と余裕
 【B】「ちょっと経験ないなぁ……まぁ、やれと言われれば……」
 【C】「いや、できない! 絶対だめです!」と拒絶反応

 このように、「どれくらいできそうか」という感覚をセルフ・エフィカシーと呼びます。
 カナダ人心理学者のアルバート・バンデュラが提唱した考え方で、日本語では自己効力感と訳されています。もう少し詳しく解説すると、次のようになります。


 セルフ・エフィカシー
ある行動を起こす前にその個人が感じる遂行可能感、自分自身がやりたいと思っていることの実現可能性に関する知識、あるいは、自分にはこのようなことがここまでできるのだという考え。



−適度なセルフ・エフィカシーを−
 さて、冒頭の話に戻しましょう。上司からの依頼に対する答によって、みなさんの「セルフ・エフィカシー度」がわかってしまいます。

 【A】と答えた人:販売促進計画に対するセルフ・エフィカシーが高い
 【B】と答えた人:普通
 【C】と答えた人:販売促進計画に対するセルフ・エフィカシーが低い

 人は、適度なセルフ・エフィカシーがないと、積極的に行動できないと言われています。行動する前にあきらめたり、やる気が出なかったり、なかなか実行できなかったり……。
 逆に、セルフ・エフィカシーが高い人は、「やればできる」の精神で困難な状況でもあきらめず、積極的に問題を解決しようと行動する特徴が見られます。心身のストレスが溜まりにくいことも明らかになっています。
 セルフ・エフィカシーとは、それほど人の行動を左右する大切なものなのです。


−3つのポイントでキャリアアップ実現−
 では、セルフ・エフィカシーを高めるためには、どうすればよいのでしょうか?
 セルフ・エフィカシーを高めるためには、次の3つの要因が必要だと言われています。

 (1)「君ならできる!」などの、周囲からの励まし
 (2)「そういえば昔、学園祭の実行委員長をやったなぁ」などの、過去の成功体験
 (3)「今度、先輩が新商品のイベントを開催するからよく見ておこう」など、他者を観察して学ぶ
    代理学習

 (2)については、小さな目標を立てて、それを一つひとつ達成していくと効果的です。成功体験を積み重ねていくことができるからです。階段を上るように、「できる!」の確信がステップアップできるといいですね。
 また、(3)については、モデリングとも呼ばれます。ほかの人の成功体験をお手本にすることで、自分の準体験として身につけられるのです。「これなら私でもできそうだなぁ」と感じられたら最高です。

 いかがでしょうか? みなさんのキャリアアップにぜひ生かしてみてください。
 コラムを最後まで読んでくれる学習意欲の高い人なら、きっと自分を高められるに
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