優れたリーダーは、相手目線で情報を加工する
[2015/02/27]
リーダーの立場にある人は、メンバーに対して次のような不満を抱くことがあるのではないでしょうか?
「あの人は理解力が足りないなあ」
「同じミスを何度もするので困るなあ」
「あんな仕事、不安がらずにやればいいのに」
リーダーがこのように感じてしまう一因には、おそらく部下本人に何らかの問題があるのでしょう。でも、それを部下のせいにしているだけでは、問題はなかなか解決しません。組織や集団として、原因を探り、解決策を見い出す必要があります。
ビジネスにおけるトラブルは、多くの場合、コミュニケーションにあると言われます。冒頭の不満についてもコミュニケーションに原因があるかもしれません。そして、チーム内のコミュニケーションを改善する責任はリーダーにあり、場合によってはリーダーの伝え方を変えるだけで問題が解決することもあります。
日本マンパワーの新しい通信講座『これからのビジネスリーダーに必要な「伝え方」講座』では、そうした問題解決の方法を学ぶことができます。以下にそのエッセンスを紹介しますので、ぜひご参照ください。
伝わらないことによるトラブル
事故が起きないように周囲から注意や呼びかけがあったにもかかわらず、そのことが受け入れられず、残念な結果になってしまった例は多くあります。
たとえば、雨が降ってきたためキャンプ中止の呼びかけをしたにもかかわらず、それを無視したために人が中州に取り残されてしまった事故。あるいは、飛行機の高度が落ちたのを管制官が注意したにもかかわらず、パイロットが無視したために墜落してしまった事故。いずれもヒューマンエラーの事例として有名ですが、相手が無視できないような、心を動かすような「伝え方」でコミュニケーションがはかれれば、ヒューマンエラーを起こす前に修正するチャンスをもっと増やすことができるのではないでしょうか。「伝えたけれど伝わらなかった」ということをコミュニケーションの問題だと捉えることができれば、その人の資質の問題とあきらめることなく改善する余地を持つことができます。
これらは人命にかかわる社会的な問題ですが、人命にかかわらないまでも、情報が「伝わらなかった」という構造的問題を原因とするトラブルが、みなさんのビジネスシーンでも見られるのではないでしょうか。
「あの人は理解力が足りないなあ」「同じミスを何度もするので困るなあ」「あんな仕事、不安がらずにやればいいのに」など、リーダーが部下に対して感じる原因も、実はリーダーからメンバーに情報が正しく伝わらなかったのかもしれません。
リーダーは伝える力を養うべき
では、情報が正しく伝わらない原因はどこにあるのでしょうか?
コミュニケーションは双方が存在して成り立つものですから、伝える側にも伝えられる側にも原因の一端があるはずです。そして、チームにおいては、その原因を探り、問題を解決する責任がリーダーにあります。つまり、まずはリーダーが率先して伝える力を養わなくてはいけないということです。
しかし、情報を伝えるということは難しいものです。リーダーが情報を取捨選択し、加工し、わかりやすく正しく伝えようとしても、必ずしもそれがメンバーに伝わるとは限りません。人にはさまざまな思い込みがあるため、情報を伝えられた側は人それぞれの解釈をするからです。
レストランの料理に例えて説明しましょう。シェフはおいしい料理をつくろうと、食材を選び、加工し、盛り付けます。味見をしても最高の出来栄えです。しかし、それを食べるすべてのお客さんが「おいしい」と思うでしょうか? 味の好みは人によって異なりますから、なかには「まずい」と感じる人もいるでしょう。ですから、お客さんに合わせて料理をつくることが大切なのです。
コミュニケーションにおいても、伝えられる側の解釈まできちんとつながることによって、初めて正しく伝わるということです。
「伝え方」の理論を学ぶ
通信講座『これからのビジネスリーダーに必要な「伝え方」講座』は、こうしたことを踏まえて、ビジネスシーンにおける伝え方を教えてくれます。教材はテキストとDVD、添削問題、学習ガイドから構成されています。テキストは非常に理論的な内容で、64ページながらも非常に読みごたえがあります。おおまかなコンテンツは以下のようになります。
【カリキュラム骨子】
第1章「伝える力」を養う
1−1 正しく「伝える」ことは簡単ではない
1−2 情報要求を整理し確立する
第2章 リーダーシップと「伝え方」
2−1 コマンドによるリーダーシップ
2−2 ビジョンによるリーダーシップ
第3章 「伝え方」基本編
3−1 報・連・相(ホウレンソウ)の基本を理解しよう
3−2 相手に伝わる話し方をしよう
3−3 相手の気持ちに応じた伝え方をしよう
第4章 「伝え方」応用編
4−1 相手を動かす伝え方とは
伝え方が相手に与える影響について考える
第5章 「伝え方」事例編
悪い事例・いい事例を映像で学ぶ
テキスト第5章の「伝え方」事例編においては、6つの事例をDVDで視聴することができます。
事例① ミスを繰り返す後輩への改善を促すための伝え方
事例② 新しい仕事に不安をもっている後輩を励ます
事例③ 企画を実現させるために上司に予算を取ってもらうときの働きかけ
事例④ プロジェクトで依頼事項がうまく反映されていない場合の他部署との折衝
事例⑤ 新規訪問でのアプローチ
事例⑥ 顧客からクレームがあった場合の対応
各事例はそれぞれ5〜10分間で、
「悪い事例」→「悪い点のポイント解説」→「ふさわしい例」
を実際の映像で見られます。最初に悪い事例を視聴した後、再度すぐに悪い事例を見ながら「いけなかった点」が明確に解説されますので、非常に理解しやすくなっています。
一度視聴しただけで正しい伝え方を身につけることは難しいかもしれませんが、自分の伝え方を振り返る教材として効果的だと思います。
ぜひ上手にご活用されてはいかがでしょうか。