少し前でしょうか、『聞く力』という本が話題になりましたね。
今でも書店に行くと、タイトルに「傾聴」「聴く」と付く本がたくさん並んでいます。
聞き上手で大切な人とより良い関係が築くことができたら素敵ですよね。
でも、聞く力って結局何なのでしょうか。どうしたら聞き上手になれるのでしょうか。
現役キャリアカウンセラーの田中稔哉さんに話を聞いてみました。
●今回お話を聞いたのは・・・
CDA、1級キャリア・コンサルティング技能士、精神保健福祉士
田中稔哉さん
まず第一に、聞く力とは「傾聴力」だと言えます。
傾聴とは、そもそもカウンセリングの世界で求められた技法で、「受容」「共感」をしていることを、話し手に伝える技法のひとつであると、田中さんは教えてくれました。
表面上のうなずき・相槌は見抜かれる
この人は本当に私の話を聞いているかどうか、人はなんとなく感じ取ってしまうものです。
したがって、「笑顔でうなずいていれば、いい関係性が作れるだろう」といった態度で話しを聞くのは、傾聴とは呼べません。
話しやすい人ってどんな人?
あなたの周りにも、話しやすい人・話しにくい人がそれぞれいるかと思います。
彼らの違いはどこにあるのでしょうか。
田中さんは、その違いを「人柄によるもの」と、「傾聴力という技術によるもの」と言います。
これによって、話し手は相手を信頼できるかどうかを判断し、安心感を持って話をするのです。
〜カウンセラーが信頼されるための基本的姿勢〜
カウンセラーは、相手に話したいと思ってもらわなければ仕事にならないので、日々信頼される姿勢を心がけてクライアントと向き合っています。
以下は、カウンセラーたちが実践する会話の基本的な姿勢です。
1、無条件の肯定的配慮(受容)
肯定も否定もせず、話し手の気持ちをただそのまま受け止めること。
2、共感的理解(共感)
話し手の世界を、その微妙なニュアンスに至るまで、その人自身になったかのような姿勢で感じ取り、感じ取ったことを相手に伝え返していくこと。
3、自己一致(一致)
カウンセラーが無理をしたり自分に嘘をついたりしていない姿勢。
これらを踏まえると、傾聴できている状態とは、会話を通して相手に「本当の自分はこう思っていたんだ」と、気づきを与えられている状態だと考えられます。そして、「なぜ、この人にこんなことまで話しているんだろう」とまで思わせることができたら、あなたはもう聞き上手です。
聞き上手を目指す方は、キャリアカウンセリングの技法を学んでみてはいかがでしょうか。
日本マンパワーの『キャリアコンサルタント養成講座』では、人間観を含めた対人支援職としてのあり方からしっかりと学びます。それはいわば哲学的な内容ですが、キャリアカウンセリングの根幹となる非常に大切な部分です。その上で、クライアントにかかわる際に望ましい行動(視線の位置、言語追跡、身体言語、声の質)、望ましい技法(話し手観察、質問、はげまし、いいかえ、感情の反映など)を体系的に学び、実践トレーニングを行います。
日本マンパワーでは、このようなキャリアコンサルタントに興味がある方に向けて無料講座説明会を行っています。私も一度参加してみましたが、しつこい勧誘などもなく、アットホームで気さくな雰囲気の説明会でした。おすすめです!
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