新卒で私立大学職員として入職。5年間経営企画系の部署で勤務したのち、学生対応を行う教務課へ異動。より良い学生支援について学ぶため、キャリアコンサルタント養成講座の受講を決める。
私は私立大学の職員として働いており、教員免許取得を目指す学生や大学院生に関する業務を主に担当しています。業務の中で進路に関する話を学生とすることもありましたが、いつも同じような「アドバイス」をしてしまっていました。「アドバイス」というのは、自分の価値観で考えていること、例えば「経済的に自立することは大事」といった考えのことです。しかし、ふと学生一人ひとりみんな違う人間なのに同じ「アドバイス」をしているのはおかしいと感じました。そこでプロとして相談業務をしているキャリアコンサルタントはどんなアプローチをしているのか勉強してみたいと思ったのが講座受講のきっかけです。
現在は育休中のため、まだ直接仕事には活かせていません。ただ、物の考え方は少し変わった気がします。
例えば、講座の中で同じ物の話をしていても自分のイメージしているものと相手のイメージは全く違う可能性があるということを学びました。「経理の仕事をしています」という話を相手がした場合、自分の考えている経理の仕事と相手の考えている経理の仕事の内容やその発言の中にある心理的意味は全く違うかもしれないということです。この「知った気にならない」ということは意外と盲点なのではないでしょうか。講座を受講してから「それってどういうこと?」、「もっと詳しく教えて?」と聞くことが多くなったように思います。コミュニケーションも円滑になったのでは、と密かに感じています。
受講を進める中で、今までの学生対応は自分本位だったと改めて感じました。よく養成講座の講師の方もおっしゃっていたように、普通の会話と支援は違うのです。「親戚のおばちゃん、ご近所の人、友達」ならば「私だったらこう思うわ」、「こうした方がいいわよ」と自分の考えを好き勝手に話していれば良いのですが、支援はそうはいきません。キャリアコンサルタントの倫理綱領にもある通り「キャリアコンサルティングを実施するにあたり、相談者の自己決定権を尊重しなければならない」のです。「アドバイス」ではなく、相手が自分で気づき、自分で意思決定できるように支援しなければいけません。これは本当に難しいことですが、職場復帰後は学生一人ひとりの話に耳を傾け、気持ちに寄り添いながら学生に気づきや考えるきっかけを与えるような職員になりたいと考えております。
失礼ながら、思っていたよりずっとこの講座は面白かったです。講座の中では、人を支援する前段階として、自分自身と向き合わざるを得ません。なかなか答えが出ないような課題もありますが、同じ志を持つクラスの仲間と一緒に考えを深めていくのはとても楽しい時間です。単なる資格・スキルに留まらず、自分自身の成長の糧になってくれる講座だと思います。やってみようかな、と悩んでいる方は勇気を出して飛び込んでみてください。