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頼れる街の法律家『行政書士』とは

2014/03/28

行政手続きの専門家
 行政書士は、主に官公署に提出する書類の作成と手続きの代行を業務とし、国民と行政をつなぐ役割を担う国家資格です。資格取得後は企業内で法律知識を活用するほか、独立開業して個人・企業から書類作成や手続きの依頼を受けることができます。
 
 取り扱う書類は1万種類を超え、身近なものでは運転免許やパスポートの交付・更新申請があります。行政書士の作成する書類には、他にも下記のものがあります。

・官公署に提出する書類
(建設業許可関係、運送事業許可関係、風俗営業許可関係、外国人の出入国事務関係など)
   
・権利義務に関する書類
(各種契約書、遺産分割協議書、会社設立の際の定款や各種議事録など)
   
・事実証明に関する書類
(各種名簿、資格証明、財務諸表、各種図面類など)

 行政書士は代理権を持っていますので、書類を申請する際の補正・訂正、取り下げなどを依頼人の代理として行うことができます。

 また、官公署から免許等の許認可の取り消しや、資格や地位の剥奪などの不利益な処分を受けそうになった場合に、官公署側に事実を開示させ、意見を述べたり質問をする等の手続きをすることがありますが、行政書士は、これらの手続きを本人に代わって行うことができます。
 例えば、運転免許の取り消しを受けそうになった場合には、意見を述べる(聴聞)機会が与えられますが、そうした場合に、行政書士は本人の代理人として出席することができるのです。
法律資格の入り口として
 行政書士の仕事は、弁護士、司法書士、宅地建物取引主任者などの法律資格と関連性が深く、他の法律資格を合わせて取得することにより、業務の幅が格段に広がります。
 また、行政書士試験で出題される内容は、法律を学ぶ上で土台となるため、他の資格の学習を進めやすくなります。特に「民法」は応用範囲が広く、仕事を進める上でも必ず役立ちます。
 行政書士試験自体は決してやさしいものではありませんが、受験資格に制限がなく他の法律資格よりも比較的手が届きやすいことから、行政書士資格の勉強を他の法律資格へと活用するメリットは大きいといえます。
学生の就職活動の武器に
 行政書士の資格を取得していると、官公署への窓口となることができるため、一般企業への就職活動においても有利に働くことがあります。また、公務員試験と行政書士試験の出題内容は似ていますから、公務員試験の受験を考えている方には特におすすめです。
試験概要
【受験資格】
 年齢、学歴、性別、職歴、実務経験などの制限は一切ありません。

【試験日】
 毎年11月第2日曜日

【試験時間】
 3時間

【合格発表】
 毎年翌1月下旬

【試験地】
 各都道府県に1ヵ所以上設けられます。

【受験手数料】(平成27年度額)
 7,000円

【試験内容】
 行政書士の業務に関し必要な法令等から46題、一般知識から14題が出題されます。3時間の制限時間で計60問解答します。出題内容・形式や出題数は次のとおりです。

行政書士の業務に必要な法令
・出題形式:
  択一式(5肢択一式)
  多肢選択式(4つの空欄箇所を20の語群から選択)
  記述式(45字の記入欄に記述)
・出題数:46問
・出題科目:
  憲法
  行政法
  (行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法および地方自治法を中心とする)
  民法
  商法(会社法を含む)
  基礎法学

一般知識科目
・出題形式:
  択一式(5肢択一式)
・出題数:14問
・出題科目:
  行政書士の業務に関する一般知識等
  (政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)

 「択一式問題」には、従来は単純な知識の暗記を問う問題が見られましたが、近年では個数問題や組み合わせを問う問題が増加しています。また、文章中の空欄に当てはまる語句を選ぶ問題も出題されます。

 「多肢選択式問題」は、判例文や条文に4つの空欄を設定し、その箇所に適切な語句等を、20の選択肢の中から選ぶ問題です。

 「記述式問題」は、45字の記入欄に、提示された要件から導かれる解答を、判例や条文の知識や考え方を用いて記述させるものですが、ここではポイントとなる用語をきちんと使用して解答することが求められます。

【合格基準】
 次の要件のいずれも満たしたものを合格とします。
(1)行政書士の業務に関し必要な法令等の得点が、満点の50パーセント以上である者
(2)行政書士の業務に関連する一般知識等の得点が、満点の40パーセント以上である者
(3)試験全体の得点が、満点の60パーセント以上である者。
※上記の合格基準は、問題の難易度によって補正が行われる可能性があります。

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